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MOS FETリレー MOS FETリレー共通の注意事項


MOS FETリレーは、金属(Metal)、酸化絶縁膜(Oxide)、半導体(Semiconductor)を順番に重ね合わせたチップを利用した超小型・低電流・長寿命のリレーです。ここではMOS FETリレーの共通の注意事項を説明します。

関連情報


警告

配線を行う場合には必ず電源を切ってください。
感電する場合があります。

通電中のSSRの端子部(充電部)には触らないでください。
充電部への接触は感電の原因となります。

安全上の要点
  1. MOS FETリレーの入力回路・出力回路に過電圧、過電流を印加しないでください。
    MOS FETリレーの故障および発火の原因となります。
  2. 配線およびはんだ付けは、はんだ付け条件に従って正しくはんだ付けを行ってください。
    はんだ付けが不完全な状態で使用されますと通電時の異常発熱により焼損の原因となります。
使用上の注意

●ディレーティング設計について

システムの要求信頼度を達成する上で、ディレーティングへの配慮は必要不可欠なものとなります。
MOS FET リレーを高い信頼度でご使用いただくため、最大定格・推奨動作条件に対しディレーティングへの配慮を行うだけでなく、できれば使用環境条件に応じ実機確認のもと十分余裕度をもって設計ください。

  1. 最大定格
    最大定格は、瞬時たりとも超えてはならない規格であり、複数の定格のいずれに対しても超えることはできません。
    最大定格を超えた場合は、MOS FET リレー内部の劣化やチップの破壊に至ることもあります。この為MOS FETリレーを高い信頼度でご使用いただくため、最大定格の電圧・電流・温度に対しては十分なディレーティングをはかり設計ください。
  2. 推奨動作条件
    推奨動作条件は、MOS FETリレーの動作・復帰を確実にするために推奨された条件となります。
    MOS FETリレーを高い信頼度でご使用いただくため、推奨動作条件を考慮の上、設計ください。
  3. フェールセーフの実施
    MOS FETリレーの故障、特性劣化、および機能異常などがシステムの安全動作に重大な影響を与える可能性がある場合は、用途に応じたフェールセーフ対策の実施を推奨します。

●静電気対策について

製品取扱い時などに静電気が各端子に放電された場合、内部素子の破壊や機能低下の原因となる場合があります。
静電気の発生を可能な限り抑えるとともに、製品周辺に電荷が蓄積されないよう適切な静電気対策を行ってください。

●代表的なMOS FETリレーの駆動回路例

MOS FETリレーは入力側LEDに電流を流すことにより駆動します。電圧印加により駆動させる場合には、規定の電流が流れるように回路に直列に抵抗を入れることが必要です。
この抵抗をLED電流制限抵抗といいます。

C-MOSの場合

トランジスタの場合

  • MOS FETリレーの確実な動作のために、以下の式で制限抵抗値を求め、設計してください。

※ IF(ON)の値については、各形式ごとにカタログ記載のトリガLED順電流・推奨動作条件動作LED順電流をご参照のうえ、余裕をもって高い値をご設定ください。

  • MOS FETリレーの確実な復帰のために、以下の式で復帰電圧値を求め、その値以下の電圧になるよう制御をお願いいたします。

   VF(OFF)=VCC-IF(OFF)R1-VOH

※ IF(OFF)の値については、各形式ごとにカタログ記載の復帰LED順電流よりも余裕をもって低い値をご設定ください。

  • 駆動用トランジスタの漏れ電流が大きく誤作動の原因となり得る場合にはブリーダ抵抗を追加してください。
  • なお、電圧駆動タイプ品については、入力側に電流制限抵抗を内蔵しており、直接入力側端子に規定の電圧を印加することで、駆動させることができます。

●入力側のサージ電圧に対する保護

入力端子に逆方向のサージ電圧が加わる場合、入力端子と逆並列にダイオードを挿入し、3V以上の逆方向電圧を印加しないでください。

入力側のサージ電圧保護回路例

※ 電圧駆動タイプ品については入力側に電流制限抵抗を内蔵しており、外部抵抗は不要です。

●出力側の過電圧に対する保護回路

出力端子間に絶対最大定格を超える過電圧が発生する誘導負荷などの場合は、保護回路を接続して過電圧を制限してください。

出力側の過電圧保護回路例

●未使用端子について

各MOS EFTリレーの未使用端子は、内部回路に使用しておりますので、外部回路を接続しないでください。

●自動実装時のツメの保持力について

自動実装時のツメの保持力は、MOS FETリレーの特性を保つため、下記の圧力以下に設定してください。

●負荷接続方法について

MOS FETリレーの動作中に入出力端子間を短絡させますと故障の原因となりますので短絡させないでください。

正しい接続例

AC/DC接続(A接続)

DCシングル接続(B接続)

DCパラレル接続(C接続)

●推定寿命について

各MOS FETリレーと使用しているLEDの対応表については、下表を参照ください。また、推定寿命データについては、下記をご参照ください。
対応表に掲載されていない形式は、個別にお問い合わせください。
なお、この結果は単一ロットの長期データからの推定であり、"参考データ" としてお取扱いください。

GaAs LED使用 MOS FETリレー形式対応表

InGaAs LED使用 MOS FETリレー形式対応表

GaAlAs LED使用 MOS FETリレー形式対応表

GaAs LED 推定経時変化データ

GaAs LED 推定寿命データ

上記推定寿命データは、LED長期評価(単一ロット)をもとに寿命推定した参考データです。
また、品種により定格を超える動作条件も含まれていますが、定格以外の動作については保証するものではありません。

F50%寿命:
累積故障確率50%寿命で推定経時変化データにおける平均変化率AVGのラインが故障判定基準に達した時間とする。

F0.1%寿命:
累積故障確率0.1%寿命で推定経時変化データにおけるAVG-3σのラインが故障判定基準に達した時間とする。

推定F50%寿命とF0.1%寿命のどちらを使用するかは、実機で必要とされる信頼度に応じて選定していただくことになりますが、通常は推定F0.1%寿命のご使用を推奨します。

「光出力劣化ΔPo」とは、初期のLED光出力に対する低下率のことで、「故障判定基準 光出力劣化ΔPo<-50%」の場合には、初期の光出力特性に対して50% 低下した時の出力特性を故障と判定する、ということです。

光出力劣化ΔPo<-50%とΔPo<-30%のどちらを使用するかは、LED順電流(IF)の設定をトリガLED順電流(IFT)に対してどれだけ余裕を持つかによりますが、通常はΔPo<-30%のグラフのご使用を推奨します。

InGaAs LED 推定経時変化データ

InGaAs LED 推定寿命データ

上記推定寿命データは、LED長期評価(単一ロット)をもとに寿命推定した参考データです。
また、品種により定格を超える動作条件も含まれていますが、定格以外の動作については保証するものではありません。

F50%寿命:
累積故障確率50%寿命で推定経時変化データにおける平均変化率AVGのラインが故障判定基準に達した時間とする。

F0.1%寿命:
累積故障確率0.1%寿命で推定経時変化データにおけるAVG-3σのラインが故障判定基準に達した時間とする。

推定F50%寿命とF0.1%寿命のどちらを使用するかは、実機で必要とされる信頼度に応じて選定していただくことになりますが、通常は推定F0.1%寿命のご使用を推奨します。

「光出力劣化ΔPo」とは、初期のLED光出力に対する低下率のことで、「故障判定基準 光出力劣化ΔPo<-50%」の場合には、初期の光出力特性に対して50% 低下した時の出力特性を故障と判定する、ということです。

光出力劣化ΔPo<-50%とΔPo<-30%のどちらを使用するかは、LED順電流(IF)の設定をトリガLED順電流(IFT)に対してどれだけ余裕を持つかによりますが、通常はΔPo<-30%のグラフのご使用を推奨します。

GaAlAs LED 推定経時変化データ

GaAlAs LED 推定寿命データ

上記推定寿命データは、LED長期評価(単一ロット)をもとに寿命推定した参考データです。
また、品種により定格を超える動作条件も含まれていますが、定格以外の動作については保証するものではありません。

F50%寿命:
累積故障確率50%寿命で推定経時変化データにおける平均変化率AVGのラインが故障判定基準に達した時間とする。

F0.1%寿命:
累積故障確率0.1%寿命で推定経時変化データにおけるAVG-3σのラインが故障判定基準に達した時間とする。

推定F50%寿命とF0.1%寿命のどちらを使用するかは、実機で必要とされる信頼度に応じて選定していただくことになりますが、通常は推定F0.1%寿命のご使用を推奨します。

「光出力劣化ΔPo」とは、初期のLED光出力に対する低下率のことで、「故障判定基準 光出力劣化ΔPo<-50%」の場合には、初期の光出力特性に対して50% 低下した時の出力特性を故障と判定する、ということです。

光出力劣化ΔPo<-50%とΔPo<-30%のどちらを使用するかは、LED順電流(IF)の設定をトリガLED順電流(IFT)に対してどれだけ余裕を持つかによりますが、通常はΔPo<-30%のグラフのご使用を推奨します。

●フラックス洗浄

  1. フラックス洗浄は、ナトリウム、塩素などの反応性イオンの残留がないように洗浄してください。
    有機溶剤によっては、水と反応し塩化水素などの腐食性ガスを発生させ、MOS FETリレーの劣化を生じさせる恐れがあります。
  2. 水洗浄に際しては、特にナトリウム、塩素などの反応性イオンの残留がないようにしてください。
  3. 洗浄中または、洗浄液がMOS FET リレーに付着した状態で、ブラシや手で表示マーク面をこすらないでください。表示マークが消える恐れがあります。
  4. 浸漬洗浄、シャワー洗浄、およびスチーム洗浄は溶剤の化学的作用により洗浄を行います。溶剤中やスチーム中の浸漬時間は、MOS FETリレーへの影響を考慮して、液温50℃以下で1分以内に処理してください。
  5. 超音波による洗浄を行う場合は短時間で行ってください。長時間の洗浄はモールド樹脂とフレーム材との密着性を低下させる恐れがあります。
    なお、推奨する基本的な条件は下記の通りです。(超音波洗浄の推奨条件)
    周波数:27~29kHz
    超音波出力:300W以下(0.25W/cm2以下)
    洗浄時間:30秒以下
    又、超音波振動子とプリント基板やMOS FETリレーが、直接接触しないように溶剤中に浮遊した状態で行ってください。

●はんだ付け実装

はんだ付け実装は下記推奨条件内で行い、できるだけ本体の温度上昇を防いでください。

〈フローはんだ〉

プリント基板用端子形
(フロー槽の設定温度)

注. ご使用においては、お客様の実使用条件でのご確認を推奨します。

サーフェス・マウント端子形

サーフェス・マウント端子形のフローはんだ実装をご検討の場合はお問い合わせください。

〈リフローはんだ〉

サーフェス・マウント端子形
(パッケージの表面温度)

(鉛フリーはんだ) SnAgCu 推奨プロファイル

注1. ご使用においては、お客様の実使用条件でのご確認を推奨します。
注2. SSOP、USOP、VSON、S-VSON品は、(TR)付きでご注文の際にはテーピング包装仕様で防湿パックに入れて納品しますが、(TR)なしの際にはテーピングカット品を無防湿梱包で納入します。テーピングカット品を実装の際は手付けはんだを行ってください。テーピングカット品は無防湿梱包のため吸湿した状態になっていますので、リフローはんだを行いますと、熱ストレスによりパッケージ割れなどの不具合が発生する恐れがあります。

〈手付けはんだ〉※1回のみ

350℃ 3秒以内 もしくは 260℃ 10秒以内

※VSON、S-VSON、P-SONシリーズ品の手はんだ条件は、260℃ 10秒以内です。

●保管条件

  1. 水濡れの可能性のない場所や、直射日光のあたらない所で保管してください。
  2. 運搬や保管時は包装箱への注意表示に従ってください。
  3. 保管場所は、常温・常湿・常圧にて保管ください。
    なお、温度と湿度は、5~35℃、相対湿度45~75%を目安としてください。
  4. 硫化水素ガス等の腐食性ガスおよび塩風が製品にあたらないところや目視で確認できる塵埃がないところに保管ください。
  5. 温度変化の少ない場所に保管してください。保管時の急激な温度変化は結露が生じ、リードの酸化、腐食などが発生し、はんだ濡れ性が悪くなります。
  6. MOS FETリレーを包装から取り出した後に再び保管する場合は、帯電防止処理された収納容器を使用してください。
  7. いずれの場合においても、製品に変形・変質をきたす力を加えないようにしてください。
  8. 当社商品の保証期間は、ご購入後またはご指定の場所に納入後1年といたします。
    通常の保管形態で1年程度以上が経過した際には、使用前にはんだ付け性のご確認を推奨します。

●使用条件

〈温度〉

MOS FET リレーの各電気的特性は使用温度によって制限されています。
動作範囲外の温度で使用されますと、電気的特性が実現されないばかりでなく、MOS FETリレーの劣化を早めます。この為、あらかじめ温度特性を把握して*ディレーティングを考慮した設計を行ってください。(*ディレーティング:ストレスの低減)
なお、使用温度条件は、ディレーティングを考慮し推奨動作温度を一つの目安としてください。

〈湿度〉

高湿度環境での長期使用は、内部への水分侵入により内部チップの劣化や故障を引き起こす場合があります。高い信号源インピーダンスを持つシステムでは、これら基板リークやMOS FET リレーのリード間リークが誤動作の原因になります。このような場合には、MOS FETリレー表面の防湿処理を検討してください。
一方、低湿度では静電気の放電による損傷が問題になりますので、特に防湿処理をしない限り相対湿度40~60%の湿度範囲でご使用ください。

〈廃棄〉

製品にはヒ素系化合物含有のLEDが使われています。
その粉末や蒸気等は人体に対し有害ですので、破壊、切断、粉砕や化学的な分解はしないでください。

●SSOP、USOP、VSON、S-VSON、P-SON品の取り扱い上の留意点

<防湿梱包、MSL3品>

※その他パッケージ品はMSL1品です

表面実装部品は吸湿した状態で実装時に熱ストレスを受けますと、パッケージ割れが発生する可能性がありますので、以下の条件でご使用ください。

  1. 防湿袋(未開封)の状態では、温度5~30℃、相対湿度90%以下の環境で保管し、24ヶ月または12ヶ月以内でご使用ください。※現物の防湿袋へ記載の有効期限をご確認ください
  2. 開封後は、温度:5~30℃、相対湿度70%以下の環境で168h以内に実装ください。
  3. 開封後、湿度インジケータの30%検湿部がピンクになった場合、または有効期限が切れた場合は、テーピングリール状態でベーキング処理を行ってください。ベーキング実施後は72h以内にご使用ください。なお、ベーキングは1回までとしてください。
     ベーキング条件:温度60±5℃、時間64~72h
     有効期限:シール日付(ラベルシールに記載)より24ヶ月または12ヶ月
             ※現物の防湿袋へ記載の有効期限をご確認ください
  4. 繰り返しベーキングを実施しますと、テーピングの剥離強度が変化し、実装時に障害を生じる可能性があります。なお、排湿処理実装時には静電気に対するデバイスの破壊防止を行ってください。
  5. ラミネートの包装材が破れると気密性が損なわれますので、投げたり、落としたりしないでください。
  6. テーピングカット品にてご購入のSSOP、USOP、VSON、S-VSON、P-SON品は無防湿梱包のため、実装の際は手付けはんだを行ってください。※MSL適応外です

●スティック梱包について
〈スティック形状および寸法〉

●テーピング包装について

〈テープ形状および寸法〉

〈リール形状および寸法〉

〈テーピング方向〉

キャリアテープ凹み角穴内の製品の向きは、下記のとおりです。

(1)SOP4 ピンタイプ

(2)SOP6/8、DIP4/6/8 ピンタイプ

(3)SSOP4、USOP4、VSON4、S-VSON4、P-SON4ピンタイプ

〈1 リ一ル当たりの詰め数〉


最終更新日:2024年04月22日