異常発生時の多角的な状況証拠をピンポイント記録

現場の異常にすばやく対応できるシステムを
テンプレート活用で簡単構築

課題

設備異常や良品率低下などへの対応
データの不備によって復旧・対処に時間がかかる

生産現場では、設備の異常停止や良品率(歩留まり)が低下し、その原因を迅速かつ的確に突き止めることが困難な状況によく直面します。 異常アラートが発生すれば、とりあえず生産を停止し、現場に対処を促すことまではできます。しかし、異常が発生した瞬間の詳細な装置の稼働データや現場の状況が記録されていなければ、適切な対処を進めることができません。 データ不備を原因の推測で埋めるしかなく、それが原因で復旧や対処に思いのほか時間がかかる場合があります。

たとえ、停止したラインにおいてトラブルを起こした装置や状態が特定できていたとしても、異常対応に必要なデータが不足していることは少なくありません。 事後に現場を訪れた保全担当者が迅速・適切な対処を行うためには、「何が起きて止まったのか」状況を判断するための客観的かつ定量的な手がかりが必要になります。 必要なデータが乏しい場合には、結局、経験の豊富な熟練者の勘に頼らざるを得なくなってしまいます。

さらに、不具合の的確な再発防止策を検討する際にもデータが不可欠になります。現場や対象装置固有の特徴を反映したデータに基づいて対策を講じなければ、防止効果は限定的になってしまうからです。 データに不備があれば正しい判断ができず、生産ロスのさらなる拡大を招く可能性さえあります。

解決策

「状態監視パッケージ」と「イベント動画ロギングパッケージ」の活用
対象装置の状態データを確実に収集・記録して、異常時対応に向けたエビデンスに

「データフローコントローラDX1」にプリインストールされた「状態監視パッケージ」と「イベント動画ロギングパッケージ」を活用すれば、管理対象の装置の状況に関するデータを確実に収集・記録しておく仕組みを簡単に構築できます。 これによって、異常や品質低下が発生した際にも、その原因を後から確実に解明できるようになります。 既存設備にセンサや信号線を後付けし、「データフローコントローラDX1」で簡単な設定を行うだけで利用可能になり、構築に際してITに関する専門的知識は不要です。

Point1
「状態監視パッケージ」で簡単にデータを収集・可視化し、異常の兆候を早期察知

「状態監視パッケージ」では、オムロン製の各種状態監視機器(例:モータ状態監視装置K6CM、温度状態監視機器K6PMなど)と接続するだけで、振動・電流・温度などの装置の状態データを、手間なく常時・確実に収集・蓄積する仕組みを構築できます。複雑なプログラムの作成やModbusアドレスの設定は不要です。 取得したデータは、逐次ダッシュボード上で可視化。あらかじめ設備ごとにしきい値を設定しておけば、いつもと違う挙動を検知した場合にアラートを自動発報させることが可能です。さらには、劣化傾向や異常兆候を誰でも把握できる環境も提供。これによって、故障や不良の兆候を事前に察知し、ムダなダウンタイムを削減できます。

状態監視機器と接続するだけで、すぐに異常兆候を把握

Point2
「イベント動画ロギングパッケージ」で異常発生前後の映像を自動的に記録・再生

「イベント動画ロギングパッケージ」では、PLCからの異常信号やしきい値超過をトリガにしてカメラ録画を自動制御します。 異常発生時にはその直前から直後にかけての映像が自動保存されるため、保全担当者は発生当時の設備や作業者の様子を映像で振り返ることが可能になります。

異常信号をトリガにしてカメラ録画を自動で開始
異常発生当時の設備や作業者の様子を振り返ることが可能

Point3
収集データとカメラ画像を同期統合させて、多角的見地からの分析を可能に

「状態監視パッケージ」と「イベント動画ロギングパッケージ」を併用することで、ダッシュボード上でセンサデータのタイムラインと録画したカメラ画像を同期表示することができます。 これによって、発生時刻を起点に何が問題だったのか、客観的事実に基づいた原因の究明と分類(電気系・機械系・人為など)が可能になります。熟練者の経験や勘に頼らず、現場と技術部門での共通理解のうえで対策を決定できるため、復旧までの時間を短縮し、再発防止にも大きく貢献します。