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一般リレー 用語解説


一般リレーは、電磁継電器のことで、電気信号を受けて機械的な動きに変える電磁石と電機を開閉するスイッチで構成されます。ここでは一般リレーの主な用語を解説します。

関連情報


リレー全般

●継電器(リレー)

その機器を制御する電気的入力回路が、ある条件を満足したとき、単数または複数の電気的出力回路に、予定された変化が急激に起きるように設計された機器

注. 機械的な運動を伴うものを、エレクトロメカニカル継電器(electromechanical relay)、伴わないものを静止形継電器(せいしがたけいでんきstatic relay)と分類したり、原理上から、電磁継電器(でんじけいでんきelectromagnatic relay)、熱継電器(ねつけいでんきthermal relay)、圧電継電器(あつでんけいでんきpiezo-electric relay (electrostrictive relay)及び無接点継電器(むせってんけいでんきcontactless relay)などと分類することがある。IECでは、動作領域または実効的に零のどちらかの入力量によって動作、復旧する継電器を、オールオアナッシング継電器(all-or-nothing relay)、規定された精度をもった特性量が動作値になったとき動作する継電器を、メジャリング継電器(measuring relay)と分類している。

●直流継電器

直流入力で動作するよう設計された継電器

●交流継電器

交流入力で動作するよう設計された継電器

●有極継電器

制御入力電流の極性によって異なる状態となる直流継電器

注. 片側安定形、両側安定形および中央安定形がある。制御入力電流の極性に左右されないものを無極継電器(onopolarized relay(neutral relay))という。

●密封形継電器

継電器全体が、気密封入された容器に入っている継電器

注. 一般に金属対金属あるいは金属対ガラスを、溶接またはそれに匹敵する方法で密封される。又閉鎖形継電器(へいさがたけいでんきenclosed relay)において、溶接などによらない簡易な方法で密閉したものを密閉形継電器ということもある。

●ヒンジ形継電器

電磁石の構造による分類で、接極子が支点を中心に回転運動を行い、その動きにより、直接または間接に接点の開閉を行う継電器

注. 接極子が鉄心の軸方向と直角に運動するものを、サイドアーマチュア形(side armature type)、軸方向に運動するものを、エンドオンアーマチュア形(end-on armature type)という。

●プランジャ形継電器

電磁石の構造による分類で、接極子がコイル中心部で、コイル軸に沿って運動する継電器

接点部

●接点構成

接点構成とは、接触機構をいいます。
例えば、b接点(ブレイク接点)、a接点(メーク接点)、c接点(トランスファ接点)などがあります。

●接点極数

接点極数とは、接点回路数をいいます。

●接点記号

それぞれの接触機構に対して以下のように表示しています。

a接点b接点c接点MBB接点
カタログ表記の
接点記号
JISにおける
接点記号

注. 「リレー用語解説」・「リレー共通の注意事項」は、特別な場合を除いてJISの接点記号で表記しています。

●静止形継電器

機械的動作なしに、電子的、電磁的、光学的あるいは他の要素によって応答が得られるように設計された継電器

注. ソリッドステートリレー(solid state relay(SSR))も、この分類にはいる。

●フレクシャ形

接点ばねの駆動形式の一種で、接点接触力がスタッド、カードなどの押付力により得られる形式

●リフトオフ形

接点ばねの駆動形式の一種で、接点接触後、カードあるいはスタッドが接点ばねと離れ、接点接触力が可動ばねの予備曲げなどにより得られる形式

注. コイルばねの圧縮などを使用する場合もある。

●交差形接点

互いに交差するバーのような形式になっている接点

●双子接点

相対する接点ばねの少なくとも一方を双またとして、それぞれのばねの先端に接点を取り付け、接触の信頼度を高くした接点

●可動接点

駆動機構またはその一部によって直接駆動される接点、これに対して直接駆動されない接点を固定接点(stationary contact)と呼ぶ。

●静止接点

継続する接触を目的とした接点

注. ターミナル、コネクタなどの場合をいう。
stationary contactは可動接点に対する固定接点の意味に用いる場合がある。

●メーク接点(常時開路接点)

継電器またはスイッチの平常時は開放状態にあり、動作時に閉成状態となる接点組、NO接点、A接点またはフロント接点(front contact)と呼ぶこともある。

●ブレーク接点(常時閉路接点)

継電器またはスイッチ平常時は閉成状態にあり動作時に開放状態となる接点組。
NC接点、B接点またはバック接点(back contact)と呼ぶこともある。

●BBM(ブレーク・ビフォワ・メーク)接点(ノンショーティングコンタクト)

接点の動作順序を指定した接点組のうち、動作時に閉成すべき接点が閉成する前に開離すべき接点が開離される接点組。C接点あるいはトランスファ接点(transfer contact)と呼ぶこともある。

●MBB(メーク・ビフォワ・ブレーク)接点(ショーティングコンタクト)

接点の動作順序を指定した接点組のうち、動作時に開離すべき接点が開離する前に閉成すべき接点が閉成される接点組。CI接点あるいはコンテニュアス接点(continuous contact)と呼ぶこともある。

●接点ばね

自己の接触部に接触力を加えるためのばね

●開離力

接点を開離させるために接点に作用させる力

●開離速度

閉成している接点が開離する際の運動速度

●接点ギャップ

相対する一組の接点の開いている状態における接点の間隔

注. 接点を形成している二つの導体間の最短距離

●クリアランス(空間距離)

互いに絶縁すべき部分相互間の距離のうち、絶縁された二つの裸充電部の最短距離

●沿面距離

互いに絶縁すべき部分相互間のうち、二つの裸充電部間に設けられた絶縁物の表面に沿った最短距離

●双投

二つの接触位置をもち、それぞれの接触位置でそれぞれの回路を閉成する接点組。これに対して一つの接触位置でのみ回路を閉成する接点組を単投(single throw)という。

●ワイピング作用

対向する二つのコンタクトが接触した後すべり動作をすること。
この動作により接点表面上に生成した皮膜、じんあいの影響を軽減する効果がある。

●定格負荷

開閉部(接点)の性能を定める基準となる値で、接点電圧と接点電流の組み合わせで表現します。

●定格通電電流

接点を開閉することなしに温度上昇限度を超えることなく連続して接点に通電できる電流値

●開閉容量の最大値

開閉できる負荷容量の最大値です。使用時には、この値を超えないように回路設計をしてください。ACの場合はVAで、DCの場合はWで表示されます。

●故障率

個別に規定する試験の種類および負荷でリレーを連続開閉した時の単位時間(動作回数)内に故障をおこす割合です。
この値は、開閉ひん度、雰囲気、期待する信頼性水準によって変化することがあります。実使用上は、実使用条件にて実機確認を必ず実施してください。
本カタログでは、この故障率をP水準(参考値)として記載しています。これは、信頼水準60%(λ60)での故障水準レベルを表しています。(JIS C5003)

水準故障率(/回)
L5×10−6
M1×10−6
N0.5×10−6
P0.1×10−6
Q0.05×10−6

(例)λ60=0.1×10-6/回は、信頼水準60%で
1/10,000,000回故障が推定されるということを表しています。

●接触抵抗

接触抵抗とは、可動片・端子・接点などの回路を構成する導体固有抵抗と接点同士が接触する境界抵抗および集中抵抗の合成した値をいいます。
本カタログに記載の接触抵抗値は、初期規格値であり、この値の大小は実使用における良否を表すものではありません。
接触抵抗の測定条件は、下図に示す電圧降下法(四端子法)にて下記表に規定する測定電流を通電します。

試験電流(JIS C5442)

定格接点電流または開閉電流(A)試験電流(mA)
0.01未満1
0.01以上 0.1未満10
0.1以上 1未満100
1以上1,000

●接点電圧の最大値

開閉できる接点電圧の最大値です。使用時にはこの値を絶対に超えないでください。

●接点電流の最大値

開閉できる接点電流の最大値です。使用時にはこの値を絶対に超えないでください。

●バウンス

接点をオンまたはオフさせるとき接点相互に生じる接点間の好ましくない間欠的開閉現象。この間欠的開閉現象の継続している時間をバウンス時間(bounce time)という。
なお、動作時間、復帰時間はバウンス時間を含んでいません。

●チャタリング

オンされている接点が外部からの原因により開閉を反復する現象。この現象の継続している時間をチャタリング時間(chattering time)という。

コイルをオンした時の各部の応答とバウンスの関係を下図に示す。

測定回路

●粘着

接着面が溶融固着または機械的にかみ合うことなく開離困難となる現象

注. 接点表面の硬度が低い場合、接点表面の清浄度が良い場合に生じやすい。

●溶着

接触面およびその近傍が溶融固着して開離困難となる現象

●ロッキング

接点の消耗、転移に伴う変形により、相対する接触面が機械的にかみ合って開離困難となる現象

●転移

接点接触面およびその近傍が放電またはジュール熱の影響をうけ一方の接点材料の一部が相対する他方の接点に移動する現象

注. 接点間の放電による転移を従来大転移と称し、放電に関係しないと考えられる転移を小転移と称した。
また、移転と称されることがある。

●アノードアーク

陽極側接点材料を陰極側接点面へ転移させるようなアーク

注. 転移の方向は接点材質、回路条件熱のバランスなどが影響すると言われている。

●カソードアーク

陰極側接点材料を陽極接点面へ転移させるようなアーク

●コヒーラ効果

接点が接点皮膜を介して接触している場合、接点電圧がある値以上になると、その皮膜が電気的に破壊されて接触抵抗が急激に減少する現象

●ブラックパウダー

接点の電気的開閉動作によって生じるカーボンであり、接点の表面上に付着し活性化の原因となるもの

●ブラウンパウダー

接点表面に吸着された有機ガスが反応して生成される褐色または黒褐色の粉末状の有機化合物

注. ある種の有機ガスの存在する雰囲気中で主として白金系の接点が開閉動作する場合に、接点のすり動作によって生じ、接点障害の一原因となる。

●絶縁破壊

絶縁物を挟む2電極間に印加した電圧により急激に絶縁性が失われる現象

●複合接点

2層以上の材料からなる接点

●張合せ接点

異種金属を張り合わせて作った接点

●拡散合金接点

拡散処理によって作られた接点

●多層接点

メッキ、張合せその他の方法により多層構造とした接点

●メッキ接点

接触面上にメッキを施した接点

●焼結接点

粉末冶金法によって作られた接点

注. 金属焼結体、複合焼結体などがある。

●突入電流

接点を閉成した瞬間、または過渡的に定常状態よりも大きく流れる電流

コイル部

●コイル記号

コイルの駆動形態に対して以下のように表示しています。

シングル・ステイブル形2巻線ラッチング形1巻線ラッチング形
有極タイプ無極タイプ4端子タイプ3端子タイプ

●定格電圧

リレーを通常状態で使用する場合、操作コイルに加える基準となる電圧

●定格電流

リレーを通常使用するためにコイルに流れる基準となる電流。コイルの温度が+23℃のときの値です。また、各機種の本文中に指定がない限り定格電流の公差は、+15%、-20%です。

●コイル抵抗

コイル抵抗とは、コイルの温度が+23℃のときのコイル端子間の抵抗。
各機種の本文中に指定がない限り公差は±15%です。(交流仕様のコイル抵抗値、およびコイルインダクタンスは、参考値です。)

●定格消費電力

コイルに定格電圧を加えたとき、コイルで消費される電力(定格電圧×定格電流)。交流仕様の定格消費電力は、周波数60Hzにおける値です。

●動作電圧

リレーが動作するための最小の電圧です。(JIS C5442)
コイルの温度が+23℃のときの値です。

●復帰電圧

電圧を急激に降下または徐々に減少させたとき、リレーが復帰する最大の電圧です。(JIS C5442)
コイルの温度が+23℃のときの値です。

(例)形MY4 DC タイプの場合

動作電圧、復帰電圧の分布は下記のグラフのようになっています。
グラフにあるように動作時は定格電圧の80%以下で動作し、復帰時は、10%以上で復帰するようにしています。
したがって、カタログの表現も、「動作電圧」を80%以下、復帰電圧を10%以上と表記しています。

(例)形G2R-1 DCタイプの場合

動作電圧、復帰電圧の分布は下記のグラフのようになっています。
グラフにあるように動作時は定格電圧の70%以下で動作し、復帰時は、15%以上で復帰するようにしています。
したがって、カタログの表現も、「動作電圧」を70%以下、復帰電圧を15%以上と表記しています。

●ホットスタート

接点通電状態で、コイルに連続通電後、一旦コイルへの通電をオフにし、ただちに再度オンした状態またはそのときの動作電圧値をいいます。
(コイル電圧、接点電流、周囲温度は、条件設定した値とする)

●最小パルス幅

ラッチング形リレーにおいてセットおよびリセットさせるためのコイルへの定格印加電圧の最小パルス幅をいいます。
ただし、周囲温度+23℃でコイルに定格電圧を印加した値です。

●コイルインダクタンス

直流リレーにおいては矩形波を加えて時定数より求めた値です。
また、交流リレーにおいては定格周波数における値です。
それぞれ、動作状態、復帰状態で値が異なります。

●鉄心(コア)

電磁石において起磁力を有効に働かせるために、コイルに挿入した磁性体

注. 主として固定された磁性体をいい、コイル中を運動する場合に可動鉄心(かどうてっしんmoving core)と呼ぶことがある。また、磁気吸引力を有効に利用するため、磁極片(じきょくへんpole piece)を付加すことがある。

●くま取りコイル

交流電磁石の磁極の一部を取り囲み、励磁コイルとの相互インダクタンスにより発生する電流で、磁束の変化を部分的に遅らせるための短絡コイル(たんらく--short circuited coil)。可動部分の振動を減少させる

電気的性能

●動作時間

コイルに定格電圧を印加した時点から接点が動作するまでの時間。複数個の接点を持つリレーの場合には、他の規定がなければ一番遅い接点が動作するまでの時間になります(JIS C5442)。コイル温度が+23℃のときの値で、バウンス時間は含まれていません。

●セット時間(ラッチング形に限る)

セットコイルに定格電圧を印加した時点から接点が動作するまでの時間。複数個の接点を持つリレーの場合には、他の規定がなければ一番遅い接点が動作するまでの時間になります。
なお、コイル温度が+23℃のときの値で、バウンス時間は含まれていません。

●復帰時間

コイルから定格電圧を取り除いた時点から接点が復帰するまでの時間。複数個の接点を持つリレーの場合には、他の規定がなければ一番遅い接点が復帰するまでの時間になります(JIS C5442)。
a接点のみの場合は一番遅いa接点が開路するまでの時間です。
コイル温度が+23℃のときの値で、バウンス時間は含まれていません。

●リセット時間(ラッチング形に限る)

リセットコイルに定格電圧を印加したときから接点が復帰するまでの時間。a接点のみの場合は一番遅いa接点が開路するまでの時間です。
複数個の接点を持つリレーの場合には、他の規定がなければ一番遅い接点が復帰するまでの時間になります。
コイル温度が+23℃のときの値で、バウンス時間は含まれていません。

●バウンス

リレーの可動部分(接極子)が鉄芯や接点相互の衝突によって生じる衝突振動などに起因する接点間の間欠的開閉現象(JIS C5442)

●動作バウンス時間

コイル温度が+23℃のときにコイル定格電圧を印加したときのa接点のバウンス時間をいいます。

●復帰バウンス時間

コイル温度が+23℃のときにコイル定格電圧を取り除いたときのb接点のバウンス時間をいいます。

●開閉ひん度

単位時間あたりのリレー操作回数です。

●絶縁抵抗

接点、コイル間や導電部端子と(鉄芯枠、鉄芯のような)非充電金属部間、あるいは接点相互間の絶縁された部分の抵抗のことです。
この値はリレー単体における値で、基板のランドなどは含みません。
①コイル-接点間:
 コイル端子と接点全端子間
②異極接点間:
 異極接点端子相互間
③同極接点間:
 同極接点端子相互間
④セットコイル・リセットコイル間:
 セットコイル端子とリセットコイル端子間

●耐電圧

絶縁された金属部間(特に充電金属)に電圧を1分間加えたとき、絶縁破壊の起こらない限界値。電圧印加箇所は、絶縁抵抗と同一です。
リーク電流(絶縁破壊を検出するための電流)は通常1mAです。
ただし、リーク電流を3mA、10mAとすることもあります。

●耐衝撃電圧(耐サージ電圧)

落雷など誘導性負荷開閉時に発生する瞬間的異常電圧に対する耐久性を示す限界値のことです。サージ波形は、特に記載のない
限りJIS C5442による1.2×50μsの標準衝撃電圧波形で表します。

FCC Part68では、10×160μs±1500Vが規定されています。

●振動

運搬時、取りつけ時に発生する比較的大きな振動による特性変化や破損について規制された耐久振動と、使用状態での振動による誤動作を規制する誤動作振動とに分けられます。
α=0.002f2A×9.8
α:振動加速度(m/s2
f:振動数(Hz)
A:複振幅(mm)

●衝撃

運搬時、取りつけ時に発生する比較的大きな衝撃による特性変化や破損について規制された耐久衝撃と、使用状態での衝撃による誤動作を規制する誤動作衝撃とに分けられます。

●機械的耐久性

接点に負荷を加えないで、規定の開閉ひん度で開閉動作させたときの耐久性のことです。

●電気的耐久性

接点に定格負荷を加え規定の開閉ひん度で開閉させたときの耐久性のことです。

●熱起電力

異種の金属を両端で接続し、接合部の温度を異なる温度に保つと、回路に一定方向の電流が流れます。この電流を生じさせる起電力を熱起電力といいます。
リレーの場合、端子、接触片、接点の異種金属に熱起電力を生じます。熱電対をリレーで切り替える場合、この熱起電力により実際の温度と測定温度が異なる原因となります。

現象・状態

●せん絡

相対する導体間が放電により、短絡状態となる現象。
中・大電流で使用される接点で生じやすい。

●スティッキング

溶着、ロッキング、粘着により接点が開離困難となること

●接点摩耗

接点が改変動作を繰返し行ううちに摩耗などの機械的な原因によって接点が擦り減ること

●接点消耗

接点が開閉動作を繰り返しているうちに電気的、熱的、科学的などの原因によって消耗すること

●活性化

接点表面が汚染して放電が起こりやすくなる現象

注. 例えば、ある種の有機ガスの存在する環境において、開閉動作する貴金属接点で放電が発生すると、接点表面に吸着された有機ガスが放電により分解してブラックパウダ(炭素など)を生じ、放電が起こりやすくなる。

●接点皮膜

接点の接触面に生成または吸着される金属の酸化物、硫化物、その他の皮膜をいい、境界抵抗の原因となる。

●フリンジング効果

直接相対向している磁極面周辺部分形状が磁気特性に与える効果

●うなり

交流磁極または平滑化不十分な整流波駆動による機械的振動に起因する騒音

●ソーク

動作、復旧電圧(または電流)の測定あるいは試験時に、操作コイルの飽和電流(saturation current)を流して、磁気的前歴の影響による差を除くこと

注. 流す電流を、ソーク電流(soak current)という。

動作の形態

●シングル・ステイブル形(基準形)

コイルの無励磁、励磁に応じて接点が切り替わり、それ以外は動作要素上特別な機能を持たないリレーです。

●2巻線ラッチング形

セットコイルとリセットコイルを有し、セット状態またはリセット状態を保持できるラッチング構造のリレーです。

●1巻線ラッチング形

1つのコイルで、印加する電圧の極性に対応して、セットまたはリセット状態に切り替わり保持できるラッチング構造のリレーです。

●ステッピング形

入力1パルスごとに、複数の接点が順次オン、オフとシフトしていくリレーです。

●ラチェット形

ステッピング形の一つでコイル入力1パルスごとに接点が交互にオン、オフするリレーです。

外形・形状

●外形寸法

一般リレーは最大寸法を記載し、設計の目安としました。
小型を特長としたものに限り、最大寸法と*印( )値の平均寸法を併記し、設計の目安としました。

●マーキング

リレー本体へのマーキング(表示)は形式、電圧仕様などの他に内部接続図などを表示していますが、一部の小型リレーでは、内部接続図を省略しています。

プリント基板用リレー

●高周波アイソレーション

開路状態にある接点端子間および接続されていない端子間における高周波信号の漏れの程度のことです。

●インサーションロス(挿入損失)

閉路状態にある接点端子間における高周波信号の減衰量のことです。

●リターンロス(反射損失)

伝送路上に発生する高周波信号の反射量のことです。

●V.S.W.R.

伝送路中に発生する電圧定在波比のことです。

注. リターンロスとV.S.W.R.換算式

高周波特性の測定方法例

測定に関係しない接点は50Ωにて終端する。

●高周波通過電力の最大値

閉路状態にある接点端子間を通過可能な高周波信号の電力の最大値のことです。

●高周波開閉電力の最大値

接点において開閉が可能な高周波信号の電力の最大値のことです。定格負荷に比べ電気的耐久性が短くなります。

●クロストーク特性

接点回路の相互間における高周波信号の漏れの程度のことです。

●TV定格(UL/CSA)

TV定格とは、ULおよびCSA規格の中の耐突入電流性能を評価する代表的な定格の一つで、そのリレーが突入電流を含む負荷を開閉できる程度を示しています。
開閉試験(耐久テスト)は、負荷としてタングステンランプを使用し、トータル25,000回の開閉に耐えることを要求しています。

TV定格突入電流定常電流代表機種例
TV-351A3A形G2R-1A
形LY2
形G2R-1(N.O. only)
形G2R-2(N.O. only)
TV-578A5A形G5RL-1A(-E)-LN
形LY1
TV-8117A8A形G4W-1112P-US-TV8
形G5RL-U1A-E
形G5RL-K1A-E
TV-10141A10A形G7L
形G7J(N.O. only)
TV-15191A15A形G4A

●方向指示マーク

主にプリント基板用リレーでコイル方向を表すマークを表示しています。プリント基板のパターン設計時や基板実装時にリレーコイル方向の判読が容易になります。

注. 外形寸法図、プリント基板加工寸法図、端子配置/内部接続図はすべて、方向指示マークを左側にして書かれています。
また、ケースマーキングの表記に合わせるため、JISの接点記号で表記していません。

●端子配置/内部接続

①TOP VIEW
下図のように上面から端子配列が見える構造のリレーに限り、内部接続図をTOP VIEWで記載しています。

②BOTTOM VIEW

下図のように上面から端子が見えない構造のリレーに限り内部接続図をBOTTOM VIEWで記載しています。

③BOTTOM VIEWの回転方向

プリント基板用リレーでは、コイルを左側(方向指示マークを左側)として矢印方向に回転させたときの端子配列を表示しています。


最終更新日:2024年04月22日