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一般リレー 使用上の注意


一般リレーは、電磁継電器のことで、電気信号を受けて機械的な動きに変える電磁石と電機を開閉するスイッチで構成されます。ここでは一般リレーの使用上の注意を説明します。

関連情報



●各商品個別の注意事項は、各商品ごとの「正しくお使いください」をご覧ください。

目次

No.大分類No.分類No.項目
1リレーのご使用にあたって
2リレーの
選択に
関して
1取りつけ構造・
保護構造
1
2
3
4
「保護構造について」
「ソケットとの組み合わせについて」
「塵埃の発生する雰囲気で使用する場合」
「熱帯地方へ輸出する場合」
2駆動回路1
2
3
4
5
6
「動作形態について」
「コイル仕様について」
「交流操作形コイル仕様について」
「全波整流対応形リレー」
「長期連続通電する場合」
「保守・メンテナンスに動作確認が必要な場合」
3負荷1
2
3
4
5
「接点定格について」
「開閉容量について」
「微小負荷レベルでの使用について」
「接点材料について」
「海外規格上の接点認定定格について」
3回路設計
に関して
1負荷回路1



2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
「負荷開閉について」
 1.抵抗負荷と誘導負荷
 2.接点回路の電圧(接点電圧)
 3.接点回路の電流(接点電流)
「開閉耐久性について」
「故障率について」
「サージキラーについて」
「外部回路からのサージ対策について」
「多極リレー(2極以上のリレー)の負荷接続について」
「モータの正逆切り替えの場合」
「多極リレー(2極以上のリレー)での電源両切りについて」
「a・b接点間のアークによる短絡について」
「1a1b接点リレーの1c使用について」
「異なる容量の負荷接続について」
「接点の転移(移転)について」
2入力回路1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
「最大許容電圧について」
「コイル印加電圧について」
「コイル温度上昇による動作電圧の変化について」
「入力電圧の印加電圧波形について」
「コイルオフ時のサージ防止について」
「リレーコイルへの漏れ電流について」
「稀ひん度開閉での使用について」
「電源からの配線距離が長い場合」
「シーケンス回路を構成する場合」
「動作・復帰電圧、動作・復帰時間などの各特性が重要である場合」
「直流操作形リレー使用の場合(1)入力電源のリップルについて」
「直流操作形リレー使用の場合(2)コイル極性について」
「直流操作形リレー使用の場合(3)コイル印加電圧不足について」
「交流操作形リレー使用の場合(1)入力電源の電圧変動について」
「交流操作形リレー使用の場合(2)動作時間について」
「交流操作形リレー使用の場合(3)コイル印加電圧波形について」
「ラッチングリレー使用の場合(1)直流操作形ラッチングリレーのコイルの極性について」
「ラッチングリレー使用の場合(2)駆動回路について」
「ラッチングリレー使用の場合(3)セット、リセットコイルへの同時印加について」
「ラッチングリレー使用の場合(4)直流入力の回路設計について」
「ラッチングリレー使用の場合(5)ラッチングリレーの保持力の経時減衰について」
「負荷開閉ひん度について」
「交流負荷開閉における位相同期について」
3実装設計1
2
3
4
5
「リード線径について」
「ソケットを用いた場合」
「取りつけ方向について」
「マイコンなどが近接する場合」
「ラッチングリレーの実装について」
4使用環境および保管環境に関して1
2
3
4
5
6
7
8
「使用・保管・輸送環境について」
「使用雰囲気について」
「悪性ガス雰囲気中での使用について」
「水や薬品、溶剤、油の付着について」
「振動・衝撃について」
「外部磁界について」
「外部荷重について」
「磁性粒の付着について」
5リレーの
実装作業
に関して
1ソケット用
リレー
1
2
3
4
5
6
7
8
「表面接続ソケットについて」
「リレーの抜き差し方向について」
「裏面接続ソケットについて」
「ラッピング端子用ソケットへの配線について」
「端子のはんだ付けについて」
「リード線のリレー端子へのカラゲについて」
「リード線の長さおよび端末処理について」
「保持具について」
2プリント基板
用リレー
1「超音波洗浄について」
3共通項目1
2
3
4
5
「タブ端子へのはんだ付け禁止について」
「ケース取りはずし、端子カットについて」
「端子を変形させた場合」
「リレーの交換・配線作業について」
「コーティング、パッキングを実施する場合」
6リレーの取り扱いに関して1
2
「振動・衝撃について」
「テストボタンについて」
7プリント基板用リレーに関して1
2
3
4


5



6
7
8
9
10
11
「プリント基板の選定(1)基板の材質」
「プリント基板の選定(2)基板の厚さ」
「プリント基板の選定(3)端子穴径およびランド径」
「取りつけ間隔について」
 ①周囲温度
 ②相互磁気干渉について
「ノイズ対策のためのパターン設計について」
 ①コイルからのノイズ
 ②接点からのノイズ
 ③高周波用パターン
「ランド形状について」
「パターンの導体幅および厚さについて」
「パターンの導体間隔について」
「プリント基板の固定方法について」
「1巻線ラッチングリレーの省消費電力ドライブ回路例」
「プリント基板用リレーのはんだ付け条件について」
 ①自動はんだ付け
 ②手はんだ付け
8故障解析
1.リレーのご使用にあたって
  • リレーを実際に使用するにあたって、机上では考えられない不測の事故が発生することがあります。そのため、実施可能な範囲でのテストが必要です。
  • カタログに記載の各定格性能値は、特に明記のない場合は、すべてJIS C5442の標準試験状態(温度+15~+35℃、相対湿度25~75%、気圧86~106kPa)のもとでの値です。実機確認を行う際には、負荷条件だけでなく使用環境も実使用状態と同条件で確認してください。
  • カタログ中に記載の参考データは生産ラインの中からサンプリングした実測値を図に表したものです。保証値ではありません。
  • カタログ中に記載の各定格・性能値は、単独試験における値であり、各定格・性能値の複合条件を同時に保証するものではありません。
2.リレーの選択に関して

2-1取りつけ構造・保護構造

2-1-1「保護構造について」

リレーは使用雰囲気および実装条件によって適切な保護構造のリレーを選択しないと接触不良など不具合の原因となります。
下表の保護構造による分類を参照いただき、使用雰囲気に適したリレーを選択してください。

保護構造による分類

取付構造保護構造特長代表
機種例
使用雰囲気
ゴミ・
ホコリ
の侵入
悪性ガス
の侵入
プリント
基板
取りつけ
リレー
耐フラックス形はんだ付け時に、フ
ラックスがリレー内部
に侵入しにくい構造
形G2R

(大きなゴミ
・ホコリの
侵入なし)
×
プラスチック
シール形
はんだ付け時のフラッ
クスや洗浄時の洗浄液
の侵入を防止した構造
形G6A

形G6S


(4-3参照)
プラグイン
リレー
閉鎖形(ケース
入り形)
リレーをケースに入れ
異物の接触に対して
保護した構造
形MY

(大きなゴミ
・ホコリの
侵入なし)
×
プラスチック
シール形
腐食性雰囲気の影響
を受けにくいように樹
脂のケース、カバー
などでシールされた
構造
形G2A-434

(4-3参照)
ハーメチック
シール形
リレー内部に腐食性
ガスが侵入せず、外
被も有害な腐食に耐
えるように金属、ガラ
スのケース、ベース
などでシールされ不
活性ガス(N2)を封入
した密封構造
形MYH
ねじ(金属)
取りつけ
リレー
開放形異物の接触および
侵入に対して保護
されていない構造
形MM2
××
閉鎖形
(ケース入り形)
リレーをケースに入れ
異物の接触に対して
保護した構造
形G7J

(大きなゴミ
・ホコリの
侵入なし)
×

2-1-2「ソケットとの組み合わせについて」

当社リレーと当社指定のソケットの組み合わせでご使用ください。
他社ソケットとの組み合わせでは、通電容量の違いや、ソケットのかん合性の違いによりかん合部の異常発熱などの問題が発生する原因となります。

2-1-3「塵埃の発生する雰囲気で使用する場合」

塵埃の発生する雰囲気でリレーを使用する場合、塵埃がリレー内部に侵入し、接点間に挟まって閉路しない原因となります。また、線屑などの導電物体がリレー内部に侵入した場合、接触不良・回路短絡の原因となります。
このような場合、塵埃対策を実施するかシール形リレーをご使用ください。

2-1-4「熱帯地方へ輸出する場合」

熱帯地方へ輸出する場合には、以下のリレーをご使用ください。

  • 熱帯処理形
  • プラスチックシール・リレー
  • ハーメチックシール・リレー

他の種類のリレーを使用されると、金属部品の錆などにより動作トラブルが発生することがあります。

2-2駆動回路

2-2-1「動作形態について」

リレーは、動作形態によって以下のように分類されます。
使用目的に応じた適切なリレーを選択ください。

分類特長代表機種例備考
シングル・
ステイブル形
(基準形)
コイルの無励磁、励磁に応じて
接点がオン、オフし、それ以外
は動作要素上特別な機能を持
たないリレー
形G6B
形MY
接点構成としてa、b、c、
MBB接点があります。
ラッチング形セットまたはリセットを行うパル
ス駆動電圧でもセット状態また
はリセット状態を駆動電圧(パ
ルス駆動電圧含む)が断たれ
た後も反転への入力があるま
でその状態を保持できる機能
を持ったリレー
形G6BU
形G6BK
セット、リセット状態を保持
する機構として
 (1)磁気保持形
 (2)機械的保持形
の2種類があります。また
セット、リセットのパルス
電圧を印加するコイルの
種類として
 (1)1巻線形
 (2)2巻線形 があります。
ラチェット・
リレー
パルス入力により接点が交互
にON、OFFが切り替わる、ま
たは順次動作するリレー
形G4Q
ステッピン
グ・リレー
入力パルスごとに複数の接点
が順次ONまたはOFFとシフト
していくリレー
形G9B

特殊動作リレーの基本動作

分類基本回路動作パターン概要
2巻線
ラッチング・
リレー
セットコイルの入力パル
スによって、磁気的ある
いは、機械的に動作状
態を保持し、リセットコイ
ル側への入力パルスに
よって復帰状態となる
リレーです。
1巻線
ラッチング・
リレー
セット入力パルスによっ
て、磁気的に動作状態
を保持し、リセット入力
パルス(セット入力とは、
逆極性の入力)によって
復帰状態となるリレー
です。
ラチェット・
リレー
・コイルの入力パルス
 によって、機械的に接
 点a、bの動作状態を保
 持します。
・接点a、bは交互に、
 ON、OFFします。
ステッピン
グ・リレー
コイルの入力パルスに
よって、電気的に複数
の接点が順次切り替わ
ります。

2-2-2「コイル仕様について」

コイル仕様は設計回路に合わせ正しく選定してください。コイル仕様の選定が適切でない場合本来の性能が得られないだけでなく、過電圧印加などによるコイル焼損の原因となります。

2-2-3「交流操作形コイル仕様について」

各リレーの適用電源(定格電圧、定格周波数)をご確認の上、正しく選定してください。
リレーによっては、ご使用になれない定格電圧、定格周波数があります。選定が適切でない場合には、異常発熱や誤動作の原因になります。

AC100Vの例

定格の呼称*適用電源
(定格電圧・定格周波数)
商品マーキング
での表現
カタログ
での表現
1定格AC 100V 60Hz100VAC 60HzAC 100V 60Hz
2定格AC 100V 50Hz
AC 100V 60Hz
100VACAC 100V
3定格AC 100V 50Hz
AC 100V 60Hz
AC 110V 60Hz
100/110VAC 60Hz
100VAC 50Hz
または100/(110)VAC
AC 100/(110)V
4定格AC 100V 50Hz
AC 100V 60Hz
AC 110V 50Hz
AC 110V 60Hz
100/110VACAC 100/110V

*この呼称はJISなどで定められた呼称ではありません。

2-2-4「全波整流対応形リレー」

直流操作形リレーは、リップル率により動作電圧変動、うなりの原因となります。そのため、全波整流の電源回路では、リップル率低減のため、平滑コンデンサCを回路に付加しています。全波整流対応形リレーは、上記平滑コンデンサCが無い回路でも、うなりなどの不具合を生じません。また、全波整流対応形リレーのDC100V仕様のコイルへは、AC100Vを全波整流した電源を直接入力できます。

2-2-5「長期連続通電する場合」

例えば、リレーを開閉動作しないで長期連続通電するような回路(異常発生時のみ復帰しb側接点で警報を発するような非常灯警報設備、異常点検回路など)で使用する場合には、無励磁となる設計が望まれます。コイルへの長期連続通電は、コイル自身の発熱によるコイルの絶縁劣化が促進されます。また、3-2-7項の「稀ひん度開閉での使用について」を併せてご覧ください。

2-2-6「保守・メンテナンスに動作確認が必要な場合」

リレーの動作時、表示灯の点灯もしくは機械的表示により動作状態を表示する機種を揃えております。
保守・メンテナンスが容易になります。

分類説明対象機種例
表示灯内蔵
LED
ネオンランプ
白熱ランプ
形MY
形LY
形G2A
形MKP
機械的表示アーマチュアの動きを利用し
て表示板を移動させる方式
形MYK
形G2A(K)
形MKP
形MKKP
形G7T

注. 動作表示灯は、コイルへの通電を表示しており、接点動作に基づく表示ではありません。

2-3負荷

2-3-1「接点定格について」

接点定格は、一般に抵抗負荷を基準に表示しております。また、接触方式、接点材質も掲載しておりますので負荷ならびに要求寿命に応じて最適な機種をお選びください。

2-3-2「開閉容量について」

各リレーの開閉容量の最大値やグラフを確認いただき、用途に合ったリレーを選定ください。選定の目安として開閉容量の最大値および耐久性曲線を活用ください。ただし、求められた値は目安値ですので、必ず実機にてご確認ください。開閉容量の最大値および耐久性曲線グラフの見方は以下の通りです。
例えば、接点電圧V1が決まっている場合の最大接点電流I1は特性データの交点で求めることができます。
また、逆にI1が決まっていて、最大接点電圧V1を求めることもできます。次に求められたI1から耐久性曲線データで動作回数を求めることができます。
例えば、下記のような場合、
 接点電圧=40Vなら
 接点開閉電流=2Aです。……*1
 また、最大接点電流2Aでの動作回数
 は、約30万回です。……*2

開閉容量の最大値

耐久性曲線

2-3-3「微小負荷レベルでの使用について」

微小負荷レベルで使用する場合は、負荷の種類、接点材質、接触方式を考慮の上、適切な機種を選定ください。
微小負荷レベルでのご使用の場合、接点材質、接触方式により信頼性が異なってきます。例えば、シングル接点とツイン接点とではツイン接点のほうが単純に並列冗長の期待度が高いので信頼性が高くなっています。

信頼性接触方式
シングル接点Auメッキつき
ツイン接点Auメッキつき
クロスバ・ツイン接点Au張り

2-3-4「接点材質について」

下表に各種接点材質の特長を示します。リレー選定の際の参考としてください。

各種接点材質の特長

AgPd
(銀パラジウム)
耐食性が良く、耐硫化性も良い。ドライサーキットにおいては、有機ガスを吸着してポリマーを発生し
やすいので金クラッドなどをする。
Ag
(銀)
導電率、熱伝導率は金属中最大。低い接触抵抗を示すが、欠点としては、硫化ガス雰囲気で硫化皮膜を
生じやすい。低電圧、低電流レベルでは接触不良になりやすい。
AgNi
(銀ニッケル)
電気伝導度に関しては、Agに匹敵し、耐アーク性に優れる。
AgSnO2
(銀酸化錫)
AgCdOと同等以上の優れた耐溶着性を有している。
Agと同じく硫化物雰囲気では硫化皮膜が生じやすい。
AgSnln
(銀・錫・インジューム)
耐溶着性、耐消耗性に優れる。
AgW
(銀タングステン)
硬度、融点は高く、耐アーク性に優れ、溶着、転移に対して強いが、接触抵抗が高く、耐環境性に劣る。

2-3-5「海外規格上の接点認定定格について」

海外規格認定品に捺印されている接点定格値は、規格上の認定定格値であり、個別に定めるリレーの定格値の値とは、機種によっては一致しません。各リレーの定格と動作回数をご確認の上、ご使用の際には当社定格内で必ずご使用ください。

3.回路設計に関して

3-1負荷回路

3-1-1「負荷開閉について」

リレーの実使用にあたっては、負荷の種類、環境条件や開閉条件などにより、開閉容量・開閉耐久性、適用負荷領域が大きく異なりますので必ず実機にてご確認の上ご使用ください。
各リレーの開閉容量の最大値は、下記のように記載しています。

開閉容量の最大値

開閉部(接点部)

負荷抵抗負荷誘導負荷
cosΦ =0.4、L/R=7ms
定格負荷AC 250V、10A
DC 30V、10A
AC 250V、7.5A
DC 30V、 5A
定格通電電流10A
接点電圧の最大値AC 380V、DC 125V
接点電流の最大値10A

①抵抗負荷と誘導負荷

誘導負荷の開閉能力は、誘導負荷に貯えられる電磁エネルギーの影響で抵抗負荷の開閉能力に比べ、低下します。

②接点回路の電圧(接点電圧)

直流負荷の場合、接点電圧が高くなると開閉能力が低下します。上図の例では、低い電圧側*1のWmax.=300Wに対して高い電圧側*2のWmax.=75Wと小さくなっています。
この差は、接点電圧が高いために開閉能力が低下した分です。
接点間には、規定以上に電圧もしくは電流が印加されると、
1. 負荷開閉により発生するカーボンが、接点周辺に堆積し、絶縁劣化を発生する原因となります。
2. 接点溶着、ロッキングなどの接点障害発生の原因となります。

③接点回路の電流(接点電流)

接点の開路時および閉路時の電流は接点に重大な影響を与えます。例えば、負荷がモータやランプのときは閉路時の突入電流が大きいほど、接点の消耗量、転移量が増大し、接点の溶着、転移による接点ロッキングといった支障の原因となります。(下図に代表的な負荷と突入電流の関係を示します。)
また、直流電源の負荷で規定以上の高電流で使用した場合、接点アークの継続・短絡による開閉不能の原因となります。

直流負荷の種類と突入電流

交流負荷の種類と突入電流

負荷の種類突入電流/定常電流波形
ソレノイド
約10倍
白熱電球
約10~15倍
モータ
約5~10倍
リレー
約2~3倍
コンデンサ
約20~50倍
抵抗負荷
1

3-1-2「開閉耐久性について」

開閉耐久性は、コイルの駆動回路、負荷の種類、開閉ひん度、開閉位相、周囲雰囲気などにより異なりますので必ず実機にてご確認の上、ご使用ください。カタログ記載の開閉耐久性は、下記条件のものです。

コイル駆動回路コイルへの定格電圧印加
(直投法〈瞬時オン、瞬時オフ〉による)
負荷の種類定格負荷
開閉ひん度個別定格による
開閉位相(AC負荷の場合)ランダム投入、しゃ断
周囲雰囲気JIS C5442の標準試験状態による

3-1-3「故障率について」

カタログに記載された故障率は、規定の条件で試験したときの結果から求めたもので、保証値ではありません。この値は開閉ひん度、周囲雰囲気、期待する信頼性水準によって変化しますので、実使用条件にて実機確認を必ず実施ください。

3-1-4「サージキラーについて」

サージキラーを用いると接点の耐久性を延ばしたり、ノイズの防止およびアークによる炭化物や硝酸の生成を少なくできるなどの効果があります。下表にサージキラーの代表例を示しますので回路設計上の目安としてください。

1. 負荷の性質やリレーの特性のばらつきなどにより効果が得られなかったり、かえって逆効果となる場合もありますので、必ず実負荷にてご確認の上、ご使用ください。
2. サージキラーを用いた場合、復帰時間(しゃ断時間)が遅くなる原因となりますので、必ず実負荷にてご確認の上、ご使用ください。

サージキラーの代表例

分類回路例適用特長、その他素子の選定の目安
ACDC
CR方式

*AC電圧で使用する場合
負荷のインピーダンスが
C、Rのインピーダンスよ
り十分小さいこと。接点
が開路のとき、C、Rを通
して、誘導負荷に電流が
流れます。
C、Rの目安としては
C:接点電流1Aに対し0.5~1(μF)
R:接点電圧1Vに対し0.5~1(Ω)
です。ただし負荷の性質や特性のバラ
ツキなどにより異なります。
Cは接点開離時の放電抑制効果を受けも
ち、Rは次回投入時の電流制限の役割とい
うことを考慮し、実験にてご確認ください。
Cの耐電圧は一般に200~300Vのものを
使用してください。AC回路の場合はAC用
コンデンサ(極性なし)をご使用ください。
ただし直流高電圧で接点間のアークの
遮断能力が問題となる場合に、負荷間よ
り接点間にC、Rを接続した方が効果的な
場合がありますので実機にて
ご確認ください。
負荷がリレー、ソレノイド
などの場合は復帰時間
が遅れます。
ダイオード
方式
×誘導負荷に貯えられた電
磁エネルギーを並列ダイ
オードによって、電流の形
で誘導負荷へ流し、誘導
負荷の抵抗分でジュール
熱として消費させます。こ
の方式はCR方式よりもさ
らに復帰時間が遅れます。
ダイオードは逆耐電圧が回路電圧の10倍以
上のもので順方向電流は負荷電流以上の
ものをご使用ください。
電子回路では回路電圧がそれほど高くない
場合、電源電圧の2~3倍程度の逆耐電圧
のものでも使用可能です。
ダイオード
+ツェナー
ダイオード
方式
×ダイオード方式では復帰時
間が遅れすぎる場合に使
用すると効果があります。
ツェナーダイオードのツェナー電圧は、電
源電圧程度のものを使用します。
バリスタ
方式
バリスタの定電圧特性を利
用して、接点間に高い電圧
が加わらないようにする方
式です。この方法も復帰時
間が多少遅れます。電源
電圧が24~48V時は負荷
間に、100V~200V時は接
点間のそれぞれに接続する
と効果的です。
バリスタのカット電圧Vcは下記の条件内に
なるように選びます。
交流では√2倍することが必要です。
  Vc>(電源電圧×1.5)
ただし、Vcを高く設定しすぎると高電圧への
カットが働らかなくなるため効果が弱くなります。

なお、次のようなサージキラーの使い方は避けてください。

しゃ断時のアーク消弧には非常に効果がありますが、
接点の開路時Cにエネルギーが蓄えられているため、
接点の投入時に短絡電流が流れるので、
接点が溶着しやすい。
しゃ断時のアーク消弧には非常に効果がありますが、
接点の投入時にCへの異常な充電電流が流れるので
接点が溶着しやすい。

通常、直流誘導負荷は、抵抗負荷に比べ開閉が困難とされていますが、適切なサージキラーを用いると抵抗負荷と同程度まで性能が向上します。

3-1-5「外部回路からのサージ対策について」

雷サージなどのリレーの耐電圧値を超えるサージが印加される
可能性のあるところには、サージアブソーバなどの保護回路を付加ください。リレーの耐電圧値を超える電圧が印加されるとコイル-接点間または同極接点間にせん絡および絶縁劣化を生じる原因となります。

3-1-6「多極リレー(2極以上のリレー)の負荷接続について」

多極リレーの負荷接続は電位差回路にならないように、下図aの方法で接続してください。電位差回路での使用は、接点間にアークによる短絡が生じ、リレーや周辺機器が破壊される原因となります。

3-1-7「モータの正逆切り替えの場合」

モータの正逆切り替えの場合、電位差回路となりますので複数のリレーを用い、タイムラグ(オフ時間)を必ず設けてください。

3-1-8「多極リレー(2極以上のリレー)での電源両切りについて」

多極リレーで電源の両切り回路を構成される場合、機種の選定
は、リレーの構造、異極間の沿面・空間距離、アークバリアの有無などを考慮の上、実施ください。また、選定後実機にてご確認の上、ご使用ください。誤選定の場合、定格内の負荷であっても、特にしゃ断時のアークによって異極間が短絡し、リレー周辺機器の焼損、破壊の原因になります。

3-1-9「a・b接点間のアークによる短絡について」

a、b接点をもつリレーで、a、b接点の間隔が小さいリレーや、大電流を開閉するときなどはアークによる接点間短絡が起こる原因となります。
a、b、c接点を短絡したときに過電流が流れたり焼損する回路構成はしないでください。

3-1-10「1a1b接点リレーの1c使用について」

a、b、c接点が短絡接続すると、それによって、過電流が流れたり、焼損するという回路構成はしないでください。
また、1a1bリレーにおいてモータの正逆を実施される場合も短絡電流が流れる場合があります。
a接点とb接点の非同時動作性による接点MBB化による短絡や、
a、b接点の間隔が小さいとき、大電流を開離するときなどにアークによる接点間短絡の発生が考えられます。

3-1-11「異なる容量の負荷接続について」

1個のリレーで大きな負荷と微小負荷を同時に開閉することはしないでください。
大きな負荷を開閉したとき発生する接点飛散物により微小負荷開閉用接点の清浄性が失われる原因となり、微小負荷開閉接点で接触不良を生じる場合があります。

3-1-12「接点の転移(移転)について」

接点の転移現象というのは、直流負荷開閉において、片方の接点が溶融あるいは蒸発して他方の接点に転移していくことで開閉回数の増加と共に凹凸が生じ、ついにはこの凹凸がロックされた状態になり、あたかも接点溶着を起こしたようになることです。
これは直流の誘導または容量負荷で電流値の大きい場合や突入電流の大きい場合(数A~数10A)、すなわち、接点閉路時に火花の出るような回路で多く発生します。
この対策としては接点保護回路の採用や転移に強いAgW、AgCuといった接点の採用があります。
このような負荷の場合には、実機での確認試験を必ず実施しておくことが必要です。

3-2入力回路

3-2-1「最大許容電圧について」

コイルの最大許容電圧は、コイル温度上昇とコイル絶縁皮膜材料の耐熱温度(耐熱温度を超えるとコイルの焼損やレアショートの原因となります。)から求められる他に、絶縁物の熱的変化や劣化、さらに他の制御機器を損なわないこと、人体に害を与えないこと、火災の原因にならないことなど重要な制約を受けていますので、カタログ記載の規定値を超えないようにしてください。
最大許容電圧は、リレーコイルに印加できる電圧の最大値で、連続許容値ではありません。

3-2-2「コイル印加電圧について」

コイルには定格電圧を印加してご使用ください。動作電圧以上の電圧印加でリレーは動作しますが、規定の性能を得るためには、コイルに定格電圧を印加して、ご使用ください。

3-2-3「コイル温度上昇による動作電圧の変化について」

ホットスタート状態および周囲温度が+23℃を超える状態ではカタログ記載の動作電圧の規定値を満足できない場合がありますので、実使用状態での確認を実施してください。
コイルの温度上昇により、コイル抵抗が増加し、動作電圧が高くなります。銅線の抵抗温度係数は、1℃当たり約0.4%で、この割合でコイル抵抗が増加します。
カタログ記載の動作電圧・復帰電圧の規定値はコイル温度が+23℃のときの値です。

3-2-4「入力電圧の印加電圧波形について」

コイルに印加される電圧がゆるやかに上昇または降下するような使い方はせず、電源波形は矩形波(方形波)を原則とします。
また、限界リレー的(電圧または電流がある限界値に達した瞬間にオン(オフ)する使用)な使い方もしないでください。
このような回路では、接点の同時動作性が確保できない(多極リレーにおいて、接点動作に時間的ばらつきが生じること)、動作電圧が動作ごとに異なるなどのシーケンスの誤動作の原因となります。また、動作、復帰時間が長くなり、接点の耐久性低下や溶着の原因となります。必ず直投法(瞬時オン、瞬時オフ)でご使用ください。

3-2-5「コイルオフ時のサージ防止について」

コイルオフ時にコイルより発生する逆起電圧は、半導体素子の破壊や装置の誤動作の原因となります。
対策として、コイル両端にサージ吸収回路を付加するか、サージ吸収回路を内蔵した機種(例:形MY、形LY、形G2Rなど)を選定してください。なお、サージ吸収回路を付加した場合、リレーの復帰時間が長くなりますので、実使用回路にてご確認の上、使用ください。
なお、ダイオードのくり返し尖頭逆電圧および直流逆電圧は、外部からのサージも考慮して余裕のあるもの、また平均整流電流はコイル電流以上のダイオードをご使用ください。
また、コイルに並列に誘導負荷が接続されるなど、電源中にサージが含まれている条件下での使用はしないでください。
付加した(内蔵した)コイルサージ吸収用ダイオードが破損する原因となります。

サージ吸収回路内蔵機種例

分類対象機種
ダイオード内蔵形
(直流操作専用)
形G2R、形MY
形G6B、形LYなど

3-2-6「リレーコイルへの漏れ電流について」

リレーコイルへ漏れ電流を流さないでください。改善例①、②のような回路にしてください。

漏れ電流を生じる回路の例

改善例①

改善例②:入力と同位相の出力値が必要な場合

3-2-7「稀ひん度開閉での使用について」

微小負荷において開閉ひん度が少ない使い方の場合には、定期的に接点の通電検査を実施してください。長期間接点の開閉が行われない場合、接点表面での皮膜の生成などにより、接触不安定の原因となります。
また、微小負荷において開閉ひん度が少ない使い方の場合リレーの接点の種類はAuクラッドのクロスバ・ツイン接点型のリレーをご使用の上、万一の接触不良や断線にそなえてフェールセーフの回路設計をお願いします。なお、接点の通電検査のひん度は、使用環境、負荷の種類などによって異なります。

3-2-8「電源からの配線距離が長い場合」

電源からの配線距離(L)が長い場合には、必ずリレーコイル端子の両端の電圧を測定の上、規定の電圧が印加されるよう電源電圧の設定を行ってください。
動力ラインなどと並行して長距離の配線をするとコイル入力電源がOFFのときに、電線の浮遊容量からリレー両端に電圧を生じ復帰不良の原因となります。
このような場合には、コイル両端にブリーダ抵抗を接続してください。

(参考)
形MY4 AC100/110Vでのブリーダ抵抗

浮遊容量(μF)抵抗値(kΩ)ワット数(W)
0.05以下不要
0.05~0.1572
0.15~0.1762.5
0.17~0.1953
0.19~0.2344
0.23~0.3035
0.30~0.4228
0.42以上115

形MY4 AC200/220Vでのブリーダ抵抗

浮遊容量(μF)抵抗値(kΩ)ワット数(W)
0.01以下不要
0.01~0.1288
0.12~0.1479
0.14~0.15610
0.15~0.18512
0.18以上415

注1. CVVケーブルの場合:導体公称断面積2mm2(7芯)、線間浮遊容量0.15~0.25(μF/km)
注2. 抵抗のワット数は、参考値です。必ず実使用回路で、ご確認ください。

3-2-9「シーケンス回路を構成する場合」

シーケンス回路を構成する場合、回り込みによる誤動作などの異常動作とならないようにしてください。
シーケンス回路を作成する際のポイントとして下図のように2本の電源線のうち必ず上側のラインを(+)、下側のラインを(-)(交流回路であっても同じ考え方をしてください)とし、必ず(+)側に接点回路(リレー接点など)を接続するようにしてください。

また、(-)側に負荷回路(リレーコイル、タイマコイル、マグネットコイル、ソレノイドなど)を接続するようにしてください。
下図は、回り込み回路の例です。接点A、B、Cが閉じて、リレーX1、X2、X3が動作した後、接点B、Cが開くとA→X1→X2→X3の直列回路が形成され、リレーのうなり、復帰不良の原因となります。

下図は上図を修正した正しい回路例です。なお、直流回路においては、ダイオードによる回り込み防止が可能です。

3-2-10「動作・復帰電圧、動作復帰時間などの各特性が重要である場合」

動作・復帰電圧、動作・復帰時間などの各特性が重要である場合は、当社営業担当者までご相談いただき仕様書などによる確認をお願いいたします。

3-2-11「直流操作形リレー使用の場合
    (1)入力電源のリップルについて」

直流操作形のリレーの操作電源は、リップル率5%以下の電源をご使用ください。コイルへの直流印加電圧のリップル(脈流)の増大は、うなりの原因となります。

3-2-12「直流操作形リレー使用の場合
    (2)コイル極性について」

カタログの各リレーの端子No.と印加電源の極性をご確認の上、正しく接続してください。
コイルへのサージキラー用ダイオードを付加したリレーや動作表示付きリレーなどの場合、コイル印加電源の極性を逆接続するとリレーの動作不良、ダイオードの破壊、動作表示灯の不点灯の原因になります。また、ダイオード付きリレーの場合は、回路短絡の発生により回路内の機器の破損の原因となります。
なお、永久磁石を磁気回路に使用した有極リレーの場合、コイルへの印加電源を逆接続した場合、リレーは動作しません。

3-2-13「直流操作形リレー使用の場合
    (3)コイル印加電圧不足について」

コイルへ印加する電圧が不足しますと、リレーが動かないか、あるいは動作不安定となり、接点の耐久性低下や溶着などの接点障害の原因となります。
特に大型モータなど、電源投入時に大きな突入電流が発生する負荷を動作させた瞬間に、リレーコイルへの印加電圧が低下する場合があります。
また、電圧不足状態にてリレーが動作している場合は、仕様書およびカタログなどで規定しているスペック未満の振動・衝撃値でもリレーが誤動作する原因となります。従って、リレーのコイルへは、定格電圧を印加してください。

3-2-14「交流操作形リレー使用の場合
    (1)入力電源の電圧変動について」

電源電圧の変動は、各リレーが完全に動作できる電圧がコイルへ印加されるようにしてください。リレーが完全に動作しない電圧をコイルに印加(連続印加)した場合、コイルが異常発熱し、コイル焼損の原因となります。また、リレーの操作回路の電源と同じラインにモータ、ソレノイド、トランスなどが接続されていると、それらが動作したとき電源電圧が低下し、そのためリレーの接点がバイブレーションを起こして接点の焼損、溶着、あるいは自己保持はずれの原因となります。特に、小型トランスを介しているときやトランスの容量に余裕のないとき、配線の長い場合、あるいは家庭用、商店用などで配線の細い場合などもこのような使い方になります。このようなトラブルが発生した場合には、電圧の変化状況をシンクロスコープなどで正しく調整し、その対策を講じるとともに、それらに適したリレーを採用するか、直流回路に変換して下図のような回路でコンデンサによる電圧変動の吸収を実施してください。

3-2-15「交流操作形リレー使用の場合
    (2)動作時間について」

動作時間のばらつきが問題とならない回路設計を実施してください。
交流操作形リレーの場合は、コイル入力電圧の投入位相によって動作時間がばらつきます。小型のもので約半サイクル(10ms)のばらつきがあり、大型のもので約1サイクル(20ms)のばらつきがあります。

3-2-16「交流操作形リレー使用の場合
    (3)コイル印加電圧波形について」

交流操作形リレーでは、コイルに印加する電圧は正弦波形(sinecurve)であることが必要です。商用電源をそのままコイルへ印加する場合は問題ありませんが、インバータ電源を使用した場合、その装置の波形歪みによってうなりやコイルの異常発熱の原因となります。
交流コイルは、くま取りコイルによってうなりを停止する構造となっていますが、これは、波形歪みがこの現象を起こさせないようにするためです。

3-2-17「ラッチングリレー使用の場合
    (1)直流操作形ラッチングリレーのコイル極性について」

カタログの各リレーの端子No.と印加電源の極性をご確認の上、正しく接続してください。
直流操作形のラッチングリレーの場合、印加電圧極性が逆になると、誤動作やセット不良、リセット不良の原因となります。

3-2-18「ラッチングリレー使用の場合
    (2)駆動回路について」

自己接点での励磁は正常な保持をしない原因となります。下図のような回路では、使用しないでください。

下図のようにしてください。

3-2-19「ラッチングリレー使用の場合
    (3)セット、リセットコイルへの同時印加について」

セットコイルとリセットコイルへの電圧の同時印加はしないでください。セットコイルとリセットコイルへ同時に長時間電圧を同時印加された場合、コイルの異常発熱や焼損あるいは異常動作などの原因となります。

3-2-20「ラッチングリレー使用の場合
    (4)直流入力の回路設計について」

セットコイルあるいはリセットコイルに並列に他のリレーのコイルやソレノイドを接続した場合、リレーのコイルやソレノイドの逆起電圧により動作不良の原因となります。対策としては、回路変更または下図のようにダイオードを接続してください。

回路上の注意

リセットコイルの並列接続回路
セットコイルの並列接続回路
セットコイル、リセットコイルの接続回路
セットコイルに他のリレーコイルが並列に入る回路

3-2-21「ラッチングリレー使用の場合
    (5)ラッチングリレーの保持力の経時減衰について」

磁気保持形ラッチングタイプリレーをセットのまま長期間使用された場合、磁気力は経年変化により減衰し、保持力の低下によりセット状態が解ける場合があります。これは半硬質磁性材料の性質でもあり、経過時間に対する減衰率は周囲環境(温度、湿度、振動、外部磁界の有無)により異なってきます。1年に1回以上メンテナンス(一度リセットし再び定格電圧を印加してセットさせる)を実施してください。(対象機種:形G2RK、形MYK、形G2AK、形MKK)

3-2-22「負荷開閉ひん度について」

負荷開閉の可能な動作ひん度は、負荷の種類・電圧・電流によって異なりますので、必ず実機にてご確認ください。負荷開閉が不可能な高ひん度開閉を実施された場合、接点間のアーク接続・短絡により開閉不能の原因となります。

3-2-23「交流負荷開閉における位相同期について」

開閉時の位相はランダムになるように開閉ください。リレーの駆動タイミングと負荷電源の位相が同期した場合、接点溶着、ロッキングなどの接触障害の原因となります。実機での確認を行ってください。
カタログ記載の定格値は、ランダム開閉によるものです。

3-3実装設計

3-3-1「リード線径について」

接続に関しては、負荷電流の大きさで線径が決定します。目安として下表に示す断面積以上のリード線をご使用ください。
リード線が細い場合、リード線の異常加熱により焼損の原因となります。

許容電流(A)断面積(mm2
60.75
101.25
152
203.5

3-3-2「ソケットを用いた場合」

リレーとソケットの定格を確認いただき、低い側の定格内にてご使用ください。リレーとソケットの定格値が異なっている場合があり、高い側の定格で使用されますと、接続部の異常発熱、焼損の原因となります。

3-3-3「取りつけ方向について」

機種により取りつけ方向を指定しているものがありますので、カタログにて確認の上、正しい取りつけ方向でご使用ください。

3-3-4「マイコンなどが近接する場合」

マイコンなど外来ノイズに弱い機器が近接する場合、ノイズ対策を考慮したパターン設計や回路設計を実施してください。
マイコンなどを使用してリレーを駆動し、リレー接点で大電流を開閉する場合、アークにより発生するノイズがマイコンの誤動作の原因となります。

3-3-5「ラッチングリレーの実装について」

同一パネル、基板上の他の機器(リレーなど)から動作、復帰時に発生する振動、衝撃がカタログ記載値を超えないようにしてください。ラッチングリレーのセット(またはリセット)状態がはずれる原因になります。
ラッチングリレーは、リセット状態にて納入しておりますが、異常な振動、衝撃が加わった場合、セット状態になっていることがあります。必ず、ご使用時にあらかじめリセット信号を印加した後で使用ください。

4.使用環境および保管環境に関して

4-1「使用・保管・輸送環境について」

使用・保管・輸送時は直射日光を避け、常温・常湿・常圧に保ってください。

  • 高温多湿の雰囲気中で長期間放置あるいは使用すると接点表面に酸化皮膜や硫化被膜が生成され、接触不良などの不具合の原因となります。
  • 高温多湿の雰囲気中で周囲温度が急激に変化するとリレー内部で結露が発生し、この結露により絶縁不良や絶縁材料表面でのトラッキング(通電現象)による絶縁劣化が発生する場合があります。
    また湿度の高い雰囲気中において、比較的大きなアーク放電がともなう負荷開閉ではリレー内部に青緑色の腐食生成物が発生する場合があります。これらを防ぐために、湿度の低い雰囲気中での使用をおすすめします。
  • リレーを長期にわたって保管された後使用される場合は、通電検査を実施後使用ください。リレーを全く使用しないで保管しておくだけでも、接点表面の化学的変化などにより接触不安定や接触障害を発生したり、端子のはんだ付け性が低下したりする場合があります。

4-2「使用雰囲気について」

  • 引火性ガスや爆発性ガス雰囲気中では、絶対に使用しないでください。リレー開閉時に発生するアークや発熱により発火、爆発を誘発する恐れがあります。
  • 周囲に塵埃の存在する雰囲気での使用はしないでください。リレー内部に塵埃が浸入し接点接触不良発生の原因となります。
    やむを得ずこのような雰囲気中で使用する場合、リレーを密封したプラスチックシールタイプ、金属ハーメチックシールタイプのものを検討ください。

4-3「悪性ガス雰囲気中(シリコーンガス、硫化ガス、有機ガス)での使用・リレー近傍でのシリコーン含有物の使用について」

周囲にシリコーンガスや硫化ガス(SO2、H2S)、有機ガスの存在する雰囲気、シリコーン含有物の近傍では使用しないでください。
硫化ガスや有機ガス雰囲気中でリレーを長期間放置あるいは使用される場合、接点表面が腐食し接触不安定や接触障害を発生したり、端子のはんだ付け性が低下する場合があります。
また、シリコーンガス雰囲気中でリレーを長期間放置あるいは使用される場合や、リレー近傍でシリコーン含有物(シリコーンゴ
ム、シリコーングリス、シリコーンオイル、シリコーンコーティング剤など)を使用した場合、接点表面に酸化シリコンが生成して接触不良の原因となる場合があります。
なお、以下の表の処理を行うと悪性ガスの影響が低減されます。

項目処理
外箱・ハウジング部パッキンなどを用いたシール構造にする。
リレープラスチック・シールリレーあるいはハーメチック・シールリレーを使用する。
ただしシリコーンの影響が考えられる場合はハーメチック・シールリレーを使用する。
基板・銅箔部コーティング処理をする。
コネクタ部金メッキ、あるいはロジウムメッキ処理をする。

4-4「水や薬品、溶剤、油の付着について」

水や薬品、溶剤、油がかかる雰囲気中での使用・保管はしないでください。リレーに水や薬品がかかった場合、さび・腐食・樹脂の劣化及びトラッキングによる焼損の原因となります。また、シンナーやガソリンなどの溶剤付着は、マーキング消えや部品劣化の原因となります。
透明ケース(ポリカーボネイト製)に油が付着すると、ケースの白濁あるいはケースにクラック(ひび割れ)が発生する原因となります。

4-5「振動・衝撃について」

定格値以上の振動・衝撃が、リレーに加わることのないようにしてください。
異常な振動・衝撃が加わると誤動作の原因となるだけでなく、リレー内部の部品の変形、破損などにより動作不良の原因となります。なお、リレーに異常な振動を加えないためにも、振動を発生する機器類(モータなど)の影響を受けない場所、方法にて取りつけ(実装)ください。

4-6「外部磁界について」

800A/m 以上の外部磁界の存在する場所では使用はしないでください。
強い外部磁界の存在する場所で使用されますと誤動作の原因となります。
また、開閉時に接点間に発生するアーク放電が磁界により押し曲げられ、せん絡し、絶縁不良を生じる原因となります。

4-7「外部荷重について」

リレーに外部からの荷重が加わる状態での使用あるいは保管はしないでください。リレーの初期性能を保てない原因となります。

4-8「磁性粒の付着について」

リレーを磁性粒の多い雰囲気中で使用しないでください。
磁性粒がケースに付着することにより性能を維持できない原因となります。

5.リレーの実装作業に関して

5-1ソケット用リレー

5-1-1「表面接続ソケットについて」

(1)ソケット取りつけねじ
   表面接続ソケットは、取りつけ穴加工後、ねじでゆるみのないように取りつけてください。
   ソケット取りつけねじにゆるみがありますと、振動・衝撃でソケットやリレーがはずれたり、リード線がはずれる原因となります。
   35mm幅DIN規格レールにワンタッチで取りつけられる表面接続ソケットも用意しています。

(2)リード線のねじ締め接続
   リード線のねじ締め接続は、以下のトルクにて実施ください。
   ①M3 ねじソケット:0.78~1.18N・m
      (ただし、M3ねじ使用のターミナルリレーソケットのねじ締めトルクは0.4~0.56N・mとなりますのでご注意ください。)
   ②M3.5 ねじソケット:0.78~1.18N・m
   ③M4 ねじソケット:0.98~1.37N・m
   この値は、圧着端子使用時における推奨となります。
   ただし、形PYF08A-E、形PYF14A-E、形P2RF-08-Eソケットのねじ締めトルクは、0.59~0.88N・mにて実施頂き、その際
   1号ドライバをご使用ください。
   表面接続ソケットでねじ締め接続をされる場合、ねじ締めが不十分だとリード線がはずれたり、接触不良により、異常発熱
   または発火の原因となります。また締め過ぎるとねじ山つぶれの原因となります。

(3)リレーとソケットの確実な接続を維持するために保持金具をご使用ください。
   異常な振動・衝撃が加わった場合、リレーがソケットからはずれる原因となります。

5-1-2「リレーの抜き差し方向について」

リレーとソケットとの抜き差しは、ソケット表面に対して垂直方向に行ってください。
リレーを斜めに抜き差ししますと、リレー本体の端子の曲がりや、ソケットとの接触不良などの障害の原因となります。

5-1-3「裏面接続ソケットについて」

下記の点に注意し正しく取りつけください。
裏面接続ソケット(形PY/PT)はワンタッチ取りつけです。
(パネルの板厚は1~2mmをご使用ください。)

(1)加工した取りつけ穴に端子の配線側を裏面にして挿入してください。

(2)取りつけ用金具の帯状の箇所を側面の突起がパネルの裏面に出るまでドライバなどで押してください。

(3)4ヵ所の突起がすべて裏面に現われたら取りつけは完了し、ソケットは固定されます。

(4)取りはずしの場合は取りつけ金具の突起をソケット側面に押しながらソケット全体を裏面(配線側)から軽く押すと、パネルから取りはずすことができます。

取りつけパネルの板厚が適切でない場合や取りつけ方法に誤りがありますと、ソケットが取りつけできなかったり、はずれたりする原因となります。

5-1-4「ラッピング端子用ソケットへの配線について」

下表をご参照いただき、正しく取りつけてください。
配線方法が不適切の場合、リード線はずれの原因となります。

形式巻きつけ状態形名
(ピット)
使用ワイヤリード線の被覆
むき長さ(mm)
有効巻数
(回)
標準端子
(mm)
引抜力
(kg)
適合スリーブ
AWGΦ
形PY□QN被覆
1回巻
21-A260.443~44約81×13~91-B
22-A240.536~37約64~132-B
23-A220.6541~424~1520-B
形PT□QN普通巻20-A200.837~38約41.0×1.55~15

注. 形PY□QNは使用ワイヤφ0.65で6回巻きつけ可能です。
形PT□QNは使用ワイヤφ0.8で4回巻きつけ可能です。

5-1-5「端子のはんだ付けについて」

一般リレーにおいてはんだ付けは、下記の注意に従い、手はんだ付けにて行ってください。
① こて先の平滑仕上げをした後、はんだ付けを行ってください。

  • はんだ:JIS Z3282、H60A、またはH63Aのやに入り(ロジン系)
  • はんだこて:30~60W
  • こて先温度:+280~+300℃
  • Pbフリーはんだ:+310~+330℃
  • はんだ時間:3秒以内

② フラックスはリレーの構成材の適合性から非腐食性のロジン系をご使用ください。
  フラックスの溶剤は化学作用の少ないアルコール系をご使用ください。

③ なお、上図のように、はんだに切断面をいれてフラックスの飛散を防止したものがあります。

なお、端子のはんだ付け時には、はんだ・フラックス・溶剤などがリレー端子以外の部分に付着しないようにしてください。
はんだ・フラックス・溶剤がリレー内部に侵入して絶縁劣化や接触不良の原因となります。

5-1-6「リード線のリレー端子へのカラゲについて」

リード線のリレー端子のカラゲは端子に巻きつけるように行ってください。
リード線をリレー端子へはんだ付けする場合、カラゲが不十分ですと、弱い引っ張りや振動、衝撃でリード線がはずれる原因となります。
なお、タブ端子へのリード線のはんだ付けは絶対に行わないでください。

5-1-7「リード線の長さおよび端末処理について」

配線にはリード線に適度の余裕をもたせ、端子に無理な力(約20N以上)が加わらないようにしてください。また、ヒゲなどによる短絡のないよう端末処理を行ってください。

5-1-8「保持具について」

保持具の取りつけ、取りはずしにおいては、保持具が変形しないようにしてください。また一度変形した保持具は使用しないでください。
リレーに過度の力が加わり特性を維持できなかったり、逆に十分な保持力が得られず、リレーのゆるみによる接触不良などの障害の原因となります。

5-2プリント基板用リレー

5-2-1「超音波洗浄について」

超音波洗浄対応形でないリレーの超音波洗浄は実施しないでください。超音波洗浄された場合、超音波によるリレー内部構成品の共振による接点スティッキング、コイル断線の原因になります。

5-3共通項目

5-3-1「タブ端子へのはんだ付け禁止について」

タブ端子へのリード線のはんだ付けはしないでください。リレーの構造変形およびフラックスの浸入による接触不良の原因になります。

5-3-2「ケース取りはずし、端子カットについて」

ケースの取りはずしや端子カットは絶対にしないでください。
ケースの取りはずしや、端子カットは、初期性能を損なう原因になります。

5-3-3「端子を変形させた場合」

誤って変形させた端子を無理に修正して使用しないでください。
このような場合、リレーに無理な力が加わり、初期性能が維持できなくなります。

5-3-4「リレーの交換・配線作業について」

リレーを交換・配線作業をする際には、必ずコイルおよび負荷側の電源をOFFにして、安全をご確認の上作業を実施してください。

5-3-5「コーティング、パッキングを実施する場合」

リレー内部にフラックス、コーティング剤、パッキング樹脂などが流れ込まないようにしてください。リレー内部にフラックス、コーティング剤、パッキング樹脂などが侵入すると、接触不良、動作不良などの原因になります。
コーティング・パッキングを実施する場合は、プラスチックシール形リレーをご使用ください。
また、コーティング剤、パッキング樹脂はシリコンを含まないものをご使用ください。

コーティング剤の種類

種類プリント基板への可否特徴
エポキシ系絶縁性良好。
作業性にやや難点がある。
ウレタン系絶縁性、塗布作業良好。
溶剤がシンナー系のものが多いので作業時リレーに付着しないこと。
シリコン系絶縁性、塗布作業良好。
シリコンガスが、リレー接触不良の原因になる。
6.リレーの取り扱いに関して

6-1「振動・衝撃について」

リレーは、精密部品ですので実装前後にかかわらず、規格値を超える振動・衝撃を加えないでください。保証可能な振動・衝撃値はリレー個別に定めていますので、カタログの各リレーの項をご確認ください。
リレーに異常な振動・衝撃を加えられたりした場合、初期の性能を維持できなくなります。
また、スティック包装状態においても同様に定格値を超える振動・衝撃を加えないでください。

6-2「テストボタンについて」

テストボタンに誤って触れますと接点がON しますので注意してください。
テストボタンは、回路の導通チェックなどの確認のためにご使用ください。

7.プリント基板用リレーに関して

7-1「プリント基板の選定
  (1)基板の材質」

基板の材質には、大きく分けてエポキシ系とフェノール系があります。それぞれ下記のような特長があります。用途や経済性を考慮の上選定ください。リレー搭載基板としては、ハンダクラック対策の面からもエポキシ系をおすすめします。

材質エポキシ系フェノール系
ガラス布基材エポキシ(GE)紙基材エポキシ(PE)紙基材フェノール(PP)
電気的特性・絶縁抵抗が高い。
・吸湿による絶縁抵抗の低下が少ない。
GEとPPの中間初期は高い絶縁抵抗をもっているが、湿気により
低下しやすい。
機械的特性・温・湿度による寸法変化が小さい。
・スルーホール基板、多層基板に適す。
GEとPPの中間・温・湿度による寸法変化が大きい。
・スルーホール基板に適さない。
経済性高価やや高価安価
用途高信頼性を必要とする場合などGEとPPの中間的な用途環境が比較的良く配線密度の少ない場合など

7-2「プリント基板の選定
  (2)基板の厚さ」

基板の大きさ、基板に実装する部品の重量、基板の取りつけ方法、使用温度などにより基板のそりが発生すると、リレー内部の機構が歪みを生じ、規定の性能を劣化させる原因となります。
従って、材質も考慮した上で板厚を決定してください。
基板の厚みは、t=0.8、1.2、1.6、2.0mmが一般的ですが、リレーの端子長さを考慮した場合、1.6mmが最適です。

7-3「プリント基板の選定
  (3)端子穴径およびランド径」

穴径およびランド径は、使用のリレーのプリント基板加工寸法図をもとの下表を目安に選定してください。ただし、スルーホールメッキ処理のランド径は、下表の値よりも小さくすることが可能です。

穴径Φ (mm)最小ランド径Φ (mm)
公称値公差
0.6±0.11.5
0.81.8
1.02.0
1.22.5
1.32.5
1.53.0
1.63.0
2.03.0

7-4「取りつけ間隔について」

①周囲温度

リレーの取りつけ間隔は、個別カタログをご確認の上、個別に取りつけ間隔を規定されているものについては、必ず規定値以上の間隔をあけて実装ください。
リレーを2個以上取りつけると、相互作用により異常に発熱する場合があります。また、カードラック取りつけなどにより基板を多数枚重ねて取りつける場合も同様に温度の異常上昇の原因となります。リレーの取りつけにおいては、熱がこもらないように間隔をあけて、リレーの周囲温度が規定の使用温度範囲内になるようにしてください。

②相互磁気干渉について

リレーを2個以上取りつけると、個々のリレーから発する磁界が干渉することにより、リレーの特性が変化する場合があります。
必ず、実機にてご確認の上、ご使用ください。

7-5「ノイズ対策のためのパターン設計について」

①コイルからのノイズ

コイルをオフ時、コイル両端に逆起電力が発生して、スパイク状のノイズが発生しますので、サージ吸収用ダイオードを接続ください。また、ノイズ伝播を少なくするための回路例を以下に示します。

②接点からのノイズ

接点部でモータ、トランジスタなどサージを生ずる負荷を開閉している場合は、電子回路にノイズを伝達する可能性がありますので、パターン設計時に以下の3点を考慮ください。
1. 接点部のパターンに信号伝達用パターンを近づけない。
2. ノイズ源となるパターンは、長さを短くする。
3. グランドのパターンを設けるなどして電子回路から遮へいする。

③高周波用パターン

取り扱う周波数が高くなると、パターン相互の干渉も大きくなります。従って、ノイズ対策を考慮した高周波用パターン形状、ランド形状を設計ください。

7-6「ランド形状について」

(1)はんだフィレットが均一になるためにランド部は、銅箔パターンの中心線上になるようにしてください。

良い例
悪い例

(2)自動はんだ後、手はんだ付けによる部品およびリレーを後づけする場合、ランドの一部に切り欠け部を設けることで、端子穴を確保できます。

(3)表面実装用リレーの場合、マウンターの実装精度を考慮してランドの寸法を決定ください。

パッド寸法は個別にカタログをご覧ください。

〔例〕形G6H-2Fのパッド寸法

7-7「パターンの導体幅および厚さについて」

銅箔の厚みは、基準として35μm、70μmがあり、導体幅は通電電流と許容温度上昇により決定されます。簡易的な目安として下記グラフをご活用ください。

導体幅と許容電流(IEC Pub326-3による)

7-8「パターンの導体間隔について」

導体間隔は、絶縁特性およびそれにかかわる環境ストレスの度合いなどにより決定されます。一般的には、各グラフを参考にしてください。ただし、安全規格(電気用品安全法、UL、CSA、VDEなど)に従って製作される場合には、それらの規格が優先されます。また、導体間隔を大きくとる方法として、多層基板を使用する方法もあります。

使用電圧と導体間隔(IEC Pub326-3)

A=コーティングなしで高度3,000m以下
B=コーティングなしで高度3,000mを超え15,000m以下
C=コーティングありで高度3,000m以下
D=コーティングありで高度3,000mを超える場合

7-9「プリント基板の固定方法について」

プリント基板は、外部振動・衝撃が基板と共振することにより増幅したり、振動持続時間が長くなる場合があります。
下表を考慮した固定方法を実施ください。

取りつけ状態対策
ラック取りつけガタのないガイドにする。
ねじ取りつけ・ねじでしっかりと取りつける。
 リレー取りつけなどの重量物は、ねじ締めつけ部の周辺に配置する。
・音響製品などのショックノイズを嫌うものは、締めつけ部にゴムワッシャなどの緩衝材を入れる。

7-10「1巻線ラッチングリレーの省消費電力ドライブ回路例」

  • 通常の開閉入力パルスで一般のリレー的機能とするドライブ回路例です。
  • セット時は、D1、C、ラッチングリレー、D2を介してCの突発的充電電流にてリレーをセットさせます(ラッチさせる)。
  • リセット時は、TR、C、ラッチングリレーを介してCの放電電流で行うものです。

注. 使用に関してはセット、リセット状態を確認の上、回路定数を考慮してください。

7-11「プリント基板用リレーのはんだ付け条件について」

詳細は、「電子・機構部品 総合カタログ」(カタログ番号:SAOO-213)をご参照ください。

①自動はんだ付け

  • はんだ温度:約250℃(DWSの場合は、約260℃)
  • はんだ時間:5秒以内(DWSの場合は、1回目2秒、2回目3秒)

②手はんだ付け

  • はんだごて:30~60W
  • こて先温度:280~300℃
  • はんだ時間:3秒以内
8.故障解析

下記にリレーの動作がおかしいときの故障解析表を掲載します。
下表に従って、一度回路などのチェックを実施ください。
なお、回路チェックで異常が無い場合で、故障がリレーに起因すると考えられる際には、当社営業担当にお問い合わせください。
(リレーの分解は実施しないでください。故障原因が特定できなくなります。)
リレーは、コイル部・接点部・鉄芯部・その他の機構部から構成されていますが、これらのうち最もトラブルが多いのが接点部で、次いでコイル部です。
しかし、これらのトラブルは使用方法や使用条件による外的な要因で発生する場合がほとんどで、使用前の十分な検討と正しい選択によりその多くを防止することが可能です。
下表に、リレーに関する主な故障モードを取りあげ、原因の推定と対策を示します。

故障原因対策
(1)動作不良1.コイル定格電圧の選定誤り
2.配線不良
3.入力信号の不到来
4.電源電圧の降下
5.回路電圧の降下(特に隣接大型機器の動作時、
 または長距離配線時注意)
6.使用周囲温度の上昇に伴う動作電圧(感動電
 圧)の上昇(特に直流形)
7.コイル断線
1.定格電圧の見直し
2.コイル端子間の電圧確認
3.コイル端子間の電圧確認
4.電源電圧の確認
5.回路電圧の確認
6.リレーの単独動作テスト
7.・焼損による場合は(3)項参照
 ・電気腐食作用による場合はコイル電圧の
  印加極性確認
(2)復帰不良1.入力信号しゃ断不良
2.迂回路によるコイルへの電圧印加
3.半導体回路などの組み合わ
せ回路による残留電圧
4.コイルとコンデンサ並列接続による復帰の遅延
5.接点の溶着
1.コイル端子間の電圧確認
2.コイル端子間の電圧確認
3.コイル端子間の電圧確認
4.コイル端子間の電圧確認
5.溶着については(4)項参照
(3)コイル焼損1.コイル印加電圧の不適格
2.コイル定格電圧の選定誤り
3.コイルの層間短絡
1.コイル端子間の電圧確認
2.定格電圧の見直し
3.使用雰囲気の再確認
(4)接点溶着1.接続負荷機器の過大(接点容量の不足)
2.開閉ひん度の過大
3.負荷回路の短絡
4.うなりによる接点の異常開閉
5.規定耐久回数の到来
1.負荷容量の確認
2.開閉回数の確認
3.負荷回路の確認
4.(7)項うなり参照
5.接点定格の確認
(5)接触不良1.接点表面の酸化
2.接点の摩耗、劣化
3.取り扱い不良による端子ズレや接点ズレ
1.・使用雰囲気の再確認
 ・リレー選択の見直し
2.規定耐久回数の到来
3.取り扱い注意
 ・耐振動、衝撃
 ・はんだ作業
(6)接点の異常消耗1.リレー選定の不適格
2.負荷機器への配慮不足
 (特に、モータ負荷、ソレノイド負荷、ランプ負荷)
3.接点保護回路なし
4.隣接接点間の耐圧不足
1.選定の見直し
2.選定の見直し
3.火花消弧回路などの追加
4.リレー選定の見直し
(7)うなり1.コイル印加電圧の不足
2.電源リップルの過大(直流形)
3.コイル定格電圧の選定誤り
4.入力電圧の緩慢な上昇
5.鉄芯部の摩耗
6.可動鉄片と鉄芯間に異物混入
1.コイル端子間の電圧確認
2.リップル率の確認
3.定格電圧の見直し
4.回路の追加変更
5.規定耐久回数の到来
6.異物の除去

「制御機器の正しい使い方」(NECA発行)制御用リレー編より抜粋


最終更新日:2014年07月22日