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絶縁抵抗タイプ

動いてるモータの絶縁抵抗値を計測したい

※ 測定できるモータは7.5kw までです。

接続例

テクニカルデータ

絶縁抵抗計値の計測方法

漏電電流には、対地静電容量を通して流れる静電容量分漏電電流(Ioc)と、配線や機器の劣化により流れる感電や火災の原因となる抵抗分漏電電流(Ior)の2種類の漏電電流が流れています。このIocとIorの合成成分である零相電流Io値をZCTにより検知し、Ior成分のみを分離し、電圧と合わせて演算することで絶縁抵抗を検出しています。(下図ご参照)

計測精度の変化について

モータがほとんど絶縁劣化していない場合はIoの構成成分のほとんどがIocとなり、Iorの計測精度が低下します。また、モータ固有の静電容量によるIocがIorに対して大きいと同様に計測精度が低下します。特に、モータ固有の静電容量は定格容量に比例して大きくなるため、計測精度はモータの定格容量によって変化します。
計測精度に影響するパラメータは以下の項目が考えられます。

  • Iocの増加.................... モータの種類(メーカ、構造)、定格、容量、極数、ZCTとモータ間の配線長
  • その他ノイズ成分...... 貫通電流、貫通位置
  • 外的要因...................... 電圧不平衡

【残留電流の影響】

残留電流とは?
残留電流とはZCTの貫通線の配置により、コア内部における各相の磁束のバランスが崩れ、発生する誤差のことです。
またZCTの磁気回路のアンバランスによっても誤差が生じます。これをIrと呼びます。

IrがIoと合成されZCTの2次側に出力されます。IrはIorと同一周波数成分であり、そのため、本来検出すべきIorとの分離が困難となります。 ZCTに貫通させる動力線の貫通位置によって電流量やIorとの位相差が変化します。
一旦、 ZCTと貫通線の位置を固定してしまえば、Irの位相が変化することはありません。また、 ZCTの中央に貫通線を固定することで、Irを小さくすることが可能です。なるべく貫通線を中央に固定して設置してください。
貫通線の固定は以下をご使用ください。

部品名 メーカ 形式
ゴムホルダー ミドリ安全株式会社 HZ-25

電圧不平衡の影響

ZCTは計測したIoと電圧の位相差からIorを算出しています。電圧不平衡があると各相電圧の位相が変化するため、Iorの算出に誤差が生じます。電圧不平衡率が3%以内の時の計測結果をご活用ください。

絶縁劣化時に計測値が示す範囲

多くのパラメータが影響し、絶縁抵抗値の精度が決まります。絶縁抵抗の劣化に伴う、計測値の示す範囲を一例として下図に示します。
モータのメーカや構造によってはIocがさらに増加し、精度の低下が生じる可能性があります。

インバータ特殊計測

系統電圧とインバータを同じ周波数にしてモータを駆動するケースがあります。(ex. 系統周波数:60Hz、インバータ周波数:60Hz)従来はこのような構成ではインバータの周波数成分を除去することができないため、絶縁抵抗の計測が困難でした。インバータ特殊計測では微小な周波数のずれを検出することで、計測を可能としています。計測時間に60sを要するのは、この計測に必要なデータを蓄積する時間となります。