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リレー 硫化・塩化による接触不良

FAQ番号:FAQ04896

 

回答

■故障状況
微小負荷条件において、硫化ガス雰囲気や塩害の発生しやすい雰囲気で使用することにより、接触面が硫化または、塩化して接触抵抗が上昇し接触不良になります。
  


■推定原因
①硫化
 硫化ガスと接点材の銀が反応し、硫化銀(Ag₂S)を生成します。
 (淡い紫色から黒色となるほど、硫化銀の厚さが厚くなります。)
 硫化銀は絶縁物のため、微小負荷・希頻度開閉で使用すると接触不良になることがあります。

②塩化
 塩素ガス雰囲気や海岸近くの塩害(NaCl)が発生するような地域の場合、塩化銀(AgCl・白色)を生成します。
 ①と同様、接触不良になることがあります。

■対策
 硫化ガスや塩化ガス、塩害の雰囲気での使用が避けられない場合は、下表を考慮の上、リレーをご選定ください。

①密閉性の高いリレーを使用する。
  ハーメチックシールリレーをお奨めします。
  密閉性が低いほど、発生確率が高くなります。
密閉性 構造 代表的な機種




ハーメチック・シール 形MYH
プラスチック・シール 形MYQ
閉鎖型(ケース入り) 形MY2Z 形MY4N 形MY4Z-CBG 形G7T など
 
②閉鎖型(ケース入り)を使用される場合は、できるだけ耐腐食性の高い接点材質のリレーを選定する。
耐腐食性 接点材質 接触機構  代表的な機種





Auクラッド クロスバ・ツイン  形MY4Z-CBG
シングル接点   形MY4 など 
Auメッキ+Ag合金 ツイン接点  形MY2Z など
Ag合金 シングル接点 
ツイン接点 など 
形MY2 形G2R 形MK
形MM  形G7Z など
・Ag合金は大電流の開閉に有効です。
 負荷電流が小さい場合は外気の影響を受けやすくなりますので、耐腐食性の高いリレーをご検討ください。

③接点に通電する電圧・電流を大きくする。
 微小負荷・希頻度開閉ほど硫化・塩化に対して弱くなります。
 接点に通電する電圧・電流を大きくして、硫化・塩化被膜を破壊できるようにしてください。
 希頻度開閉ほど、硫化・塩化に対して不利となります。


■補足説明
 ◆接点材質:金クラッドと金メッキについて
接点材質 説明
金クラッド
(Auクラッド)
金クラッド接点は、クラッド表面に厚みがあり、一般的に金メッキ接点に比べピンホールの発生もなく、耐硫化性・耐塩化性は高くなります。
ただし、金メッキ接点と同様、摩擦や圧力、負荷開閉時のアークエネルギーによって接点ポイントの金クラッドがはがれて母材のAg が露出したり、接点端面部のAuクラッド材が無い部分(Agが露出している箇所)が硫化・塩化する場合もあります。
金メッキ
(Auメッキ)
金メッキ接点は、ご使用になるまでの初期の接触抵抗安定を主な目的としています。
接点開閉時の摩擦や圧力、又は負荷開閉時のアークエネルギーによって接点ポイントの金メッキがはがれて母材であるAg が露出してきます。
この露出した部分で硫化や塩化が発生する事があります。
金メッキ接点といえども、ご使用雰囲気と微小負荷・希頻度開閉の条件が重なると金メッキのピンホール部から硫化し、接触不良になる事があります。
◆発生しやすくなる条件
 ガス濃度、微小負荷、希頻度開閉、Ag 系接点使用の条件が重なるほど、接触不良が発生しやすくなります。

◆湿度の影響
  湿度が60%を超えると、硫化・塩化のスピードが加速的に早くなります。

◆接点負荷の目安
  接点負荷の目安として48V未満、または、100mA未満の場合は接点クリーニング作用が低下します。
  そのため、硫化・塩化を考慮する事が必要です。