●共通の注意事項は、電力・機器用保護機器 共通の注意事項をご覧ください。
地絡方向継電器(ZPD方式)
情報更新 : 2010/07/06
●共通の注意事項は、電力・機器用保護機器 共通の注意事項をご覧ください。
使用する設備の条件により適切な機種を下表より選択してください。
| 形式 | 適用 |
|---|---|
| 形K2GS-BT□-□ | ・高圧非接地系 ・継電器の動作時間が、比較的長くても(0.2~0.8秒) 電力会社との協調がとれる高圧需要家設備 ・単回線設備(高圧引き出しが1回線) ・多回線設備(高圧引き出しが複数回線) ・特別高圧需要家の主変圧器の2次系統 (6,600V、 3,300V) |
| 形K2GS-BP-□ | ・高圧リアクトル接地系 ・前記条件の単回線設備 ・前記条件の多回線設備 |
・形VOC-3S、形VOC-1MS2は前出の定格のように、非常に小容量(高インピーダンス)のため、接地補償用コンデンサの代役は務められません。接地補償用コンデンサなどを使用してください。
・形VOC、しゃ断器、ZCT などの相互関係位置は継電器の方向性とは関係ありませんが、通常は母線に設置してください。
ZCTの位置は特に保護範囲に直接関係しますが、電力会社で設置位置を推奨している場合がありますので、設置の際には必要に応じて電力会社とご相談ください。
・特別高圧系統から受電し6,600Vあるいは3,300Vに降圧(6,600V/3,300Vの降圧を含む)して構内配電されているところでは受電設備に変圧器が入っています。
この場合、変圧器から零相変流器までの対地容量は非常に小さく、しかも電力会社の配電線からも絶縁されてしまうため、地絡事故時には地絡電流が流れず、継電器は動作不能となります。
・その対策上、変圧器と零相変流器設置点の間に対地静電容量を接続する必要がありますので、その場合には接地補償用コンデンサなどをご使用ください。
なお、接地は第1種接地とし、継電器の整定値は0.4A以下にしてください。
・ラッシュ時には数倍から10数倍の電流が数サイクル以上流れ、残留電流を生じて継電器の動作に影響をおよぼしますので、定格電流の大きな零相変流器を使用してください。
・形K3P-M 単品試験等はN 端子への配線を必ず開放してください。
・コンデンサ高圧端子配線時はケーブル被覆を必ず剥離してください。
電気設備技術基準第19条の接地線の太さに対して十分余裕のある電線を使用して、確実に接地してください。
形VOC の接地端子の接地は第1 種接地とし、受電設備の他の第1種接地配線と接続してください。
形VOCのY2端子、ZCTなどは第3種接地とし、他の第3種接地配線と接続して1点接地としてください。
形K2GSのケースアースは第3種接地とし、直接接地母線へ配線するか、または継電器のY2端子へ配線することにより、間接的に接地母線へ接続されるようにしてください。
注. E(ケースアース)はR2ケースにはありません。
注. E1、E3はそれぞれ第1種接地、第3種接地を表わします。
この場合、ケーブルの地絡故障検出が可能ですが、CBが負荷側のため故障箇所のしゃ断保護はできません。
ケーブルの地絡故障検出が可能で、電源側CBのために、ケーブル地絡故障しゃ断ができます。
ケーブルの地絡故障検出が可能で、電源側CBのためケーブル地絡故障しゃ断が可能です。
ケーブルの地絡故障検出はできません。
ケーブルの地絡故障検出が可能で、電源側CBのためケーブル故障のしゃ断が可能です。
・零相変流器ZCTの試験端子kt、ltは試験時のみに使用し、試験後は開放しておいてください。
また、盤表面に試験端子を設けておくと、保守上便利です。
・継電器に接続しない場合は、ZCTのk、l端子は必ず短絡しておいてください。
・ZCT 2次側の配線の際は誘導障害にご注意ください。
・しゃ断器の引きはずしコイルは、接地側でない方を継電器のa接点端子側に接続してください。
・ZCTとトリップ回路の配線に(4芯コード等の)同一ケーブルは使用しないでください。
・電線の耐久性、絶縁性への影響を少なくし、長時間事故なくご使用いただくため、ZCTの貫通電線については次の点にご注意ください。
曲げの限界Rは下表のとおりです。
| 電線サイズ | 限界R |
|---|---|
| KIP電線 38mm2 | 160mm以上 |
| KIP電線 60mm2 | 180mm以上 |
| KIP電線 150mm2 | 250mm以上 |
・標高2,000m以下でご使用ください。
・異常な振動、衝撃、傾斜のない状態でご使用ください。
・有害な煙やアンモニア等のガス、爆発性のガス、過度の湿気、水滴や蒸気、塵埃や風雨にさらされる状態での使用をさけてください。
・塵埃、鉄粉等のある場所ではケースを開かないようにしてください。
・湿気、塵埃の少ない場所に保管してください。
当社の下記零相変流器との組み合わせであれば、いずれの製造番号のものでも使用可能です。
| 機器 | 形式 |
|---|---|
| 零相変流器 | 形OTG-N |
| 形OTG-D | |
| 形OTG-AP | |
| 形OTG-PA | |
| 形OTG-PL | |
| 形OTG-PX |
| 零相電圧整定(%) | 5 | 7.5 | 10 | 12.5 | 15 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 動作値 | 高圧側 | 電圧(V) | 190 | 286 | 381 | 476 | 572 |
| 6600V系(%) | 5 | 7.5 | 10 | 12.5 | 15 | ||
| 3300V系(%) | 10 | 15 | 20 | 25 | 30 | ||
| 継電器入力側(V) | 0.38 | 0.57 | 0.76 | 0.95 | 1.14 | ||
零相変流器 形OTGと継電器間、零相電圧検出装置と継電器間を各々結ぶ信号線は、微弱な信号の受け渡しをしますので誘導の影響を受けやすくなります。配線の際には次の点に注意し、必要な対策を実施してください。
零相変流器と継電器間、零相電圧検出装置と継電器間の配線が10mを超えますか?
超える場合、静電誘導障害を受けるおそれがあります。
対策として、シールド線を使用してください。
・大地から絶縁されているA、B 2本の電線があってA線に交流の高圧が加わっている場合、A-B間の静電容量C1とB-大地間の静電容量C2により、B線にはC1、C2で分圧された電圧が誘導されます。
6kVケーブルの場合は芯線の周囲にしゃへい層があって、これが接地されますのでB線は誘導を受けません。
・しゃへい層のない3kV ケーブルが10m 以上にわたって並行する場合は、B線にはシールド線を使用し、しゃへい層を接地してください。
・常用使用状態において配電系統の残留分により、零相電圧検出LEDが常時点灯状態となるような整定でのご使用は避けてください。
零相変流器と継電器間、零相電圧検出装置と継電器間各々の配線が、高電圧線、大電流線、トリップ用配線などと接近し、並行しますか?
その場合、電磁誘導障害を受けるおそれがあります。
対策として、障害を受ける配線を他の配線から隔離し、単独配線としてください。
・A、B両線が近接している場合、A線に電流が流れると、右ねじの法則による磁束が生じ、B線に誘導電流が流れます。低圧大電流幹線をピット・ダクトなどで近接並行して配線する場合にはこの現象が顕著なため注意が必要です。
・電磁誘導障害を防止するためA-B間を鉄板でおおうか、B線を電線鋼管に入れるなど、両電線間を電磁的にしゃへいしなければなりません。A線と逆位相の電線が近接していたり、2芯以上のケーブルのようにより合わせてある場合は影響は少なくなります。数百アンペアの幹線において、各相の電線と信号線が10cm以内に近接し、かつ10m以上並行している場合にはこの対策を必要とします。
・継電器の電流整定値を0.1Aに整定し、Z1-Z2間をデジタルボルトメータ、真空管電圧計またはシンクロスコープで測定してください。5mV以上あれば対策が必要です。(継電器の動作レベルは約10mV)
・また電圧整定値を5%に整定し、Y1-Y2間に上記の測定器を接続して200mV以上あれば対策が必要です。ただし、残留分の場合もありますので、シンクロスコープにて波形を観測することをおすすめします。(残留分の場合は普通の正弦波、誘導の場合にはそれ以外の波形が観測されます)
形K2GSは、単回線・多回線用静止形地絡方向継電器で以下の装置と組み合わせて使用いただくものです。
(形K2GSと組み合わせて試験する必要はありません。また、形VOC-3Sも同様な回路で試験ができます。)
(1)高圧端子3本を短絡してください。
(2)高圧端子一括とE(アース)端子間にAC190.5V、AC381V、AC571.5V各々を印加します。
(3)出力電圧Y1-Y2間の電圧を測定してください。公称出力電圧は下表となります。形VOC-3Sの場合も同じです。
|
印加電圧 出力電圧 |
e1 | ||
|---|---|---|---|
| AC190.5V | AC381V | AC571.5V | |
| e2 | 0.38V | 0.76V | 1.14V |
試験押ボタンによる試験方法(零相変流器、零相電圧検出装置と組み合わせて試験する必要はありません。)
(1)制御電源端子P1、P2間にAC110Vを印加してください。
(2)試験押ボタンを押してください。
(3)電流、電圧、動作の表示LED が点灯すると共に、動作表示部がオレンジに変わり、端子a、c間が導通し、b、c間が不導通となります。
(Y1、Y2間およびZ1、Z2間が短絡されても押ボタンによる動作はします。)
(4)試験後ケース前面右下の復帰レバーを押し上げ、復帰させてください。
(この押ボタン試験は継電器内部の回路が正常であるかをチェックするためのもので、周辺機器および配線のチェックではありません。)
(1)零相電流、零相電圧整定および入力値を下表のようにしてください。(Ioの入力値は0.2A整定値の150%の0.3Aを流します)
| 試験項目 | 測定項目 | 整定値 | 入力値 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| Io | Vo | T | Io | Vo | ||
| 動作電圧試験 | Vo | 0.2A | 全タップ | 0.2s | 0.3A | 測定 |
(2)Y1、Y2間に徐々に電圧を加えながら電圧動作表示LEDが点灯する時の電圧値を確認します。各整定タップとも同様に確認します。公称動作値は下表のとおりです。
| 零相電圧整定値(%) | 5 | 7.5 | 10 | 12.5 | 15 |
|---|---|---|---|---|---|
| Vo測定値(V) | 0.38 | 0.57 | 0.76 | 0.95 | 1.14 |
| 動作値誤差 | 動作電圧±25%以内 | ||||
(1)接続は、動作電圧試験の接続図をご参照ください。
(2)零相電圧、零相電流整定および入力値は、下表のようにしてください。(Voの入力値は5%整定値の150%である0.57Vを印加します)
| 試験項目 | 整定値 | 入力値 | |||
|---|---|---|---|---|---|
| Io | Vo | T | Io | Vo | |
| 動作電流試験 | 全タップ | 0.05 | 0.2s | 測定 | 0.57V |
(3)零相電流を徐々に流し、電流動作表示LED が点灯する時の電流値を確認します。各整定タップとも同様に確認します。
公称動作値は下表のとおりです。
| 零相電流整定値(A) | 0.1 | 0.2 | 0.4 | 0.6 | 0.8 |
|---|---|---|---|---|---|
| Io測定値(A) | 0.1 | 0.2 | 0.4 | 0.6 | 0.8 |
| 動作値誤差 | 動作電流±10%以内 | ||||
(1)零相電流、零相電圧の整定および入力値を下表のようにしてください。
| 試験項目 | 整定値 | 入力値 | |||
|---|---|---|---|---|---|
| Io | Vo | T | Io | Vo | |
| 動作時間試験 | 0.2A | 5% | 全タップ | 400% | 0.57V |
(2)零相電流を整定値の400%(0.8A)に調整し、スイッチS1を閉にし、動作時間を確認します。ただし、0.2秒整定においては130%(0.26A)についても同様に行ってください。
| 動作時間整定値(s) | 0.2 | 0.3 | 0.4 | 0.6 | 0.8 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 通電電流(%) | 130 | 400 | 400 | 400 | 400 | 400 |
| 公称動作時間(s) | 0.1~0.3 | 0.1~0.2 | 0.3 | 0.4 | 0.6 | 0.8 |
| 動作値誤差 | 動作時間範囲内 | 動作時間±10%以内 | ||||
このテストは、設置時に行ってください。
本継電器は方向性を有しており、零相変流器と継電器本体の接続などが誤っていると、自己回線地絡で不動作となります。したがって、設置時に必ず自己回線地絡で動作するかを確認する必要があります。
下図のような配線を行う時は、零相電圧検出装置と継電器本体間の配線および接地線をすべてはずしてください。
図で電源の断路器を切っておき、R1=5Ω、R2=100Ωを接続し、継電器の動作零相電流整定0.2Aとして、AC110Vを加えて、動作すれば極性は正しく接続されています。
(1)零相電圧動作試験、零相電流動作試験、動作時間試験の条件は下表とします。
動作時間を測定する場合は、零相電流の配線には、S1を入れてください。
| 試験項目 |
測定 項目 |
整定値 | 入力値 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| Io | Vo | T | Io | Vo | ||
| 零相電流動作試験 | Io | 全タップ | 5% | 0.2s | 測定 | 285V |
| 零相電圧動作試験 | Vo | 0.2A | 全タップ | 0.2s | 0.3A | 測定 |
| 動作時間試験 | T | 0.2A | 5% | 全タップ | 0.8A | 285V |
(2)零相電圧動作試験
零相電圧を徐々に印加し、電圧動作表示LED が点灯したときの(V)の電圧値を確認してください。
| 整定値(%) | 5 | 7.5 | 10 | 12.5 | 15 |
|---|---|---|---|---|---|
| 公称動作値(V) | 190.5 | 285.8 | 381.0 | 476.3 | 571.5 |
| 動作値誤差 | 動作電圧±25%以内 | ||||
(3)零相電流動作試験
零相電流を徐々に流し、電流動作表示LED が点灯したときの(A)の電流値を確認してください。全タップ同様に行ってください。
| 整定値(A) | 0.1 | 0.2 | 0.4 | 0.6 | 0.8 |
|---|---|---|---|---|---|
| 公称動作値(A) | 0.1 | 0.2 | 0.4 | 0.6 | 0.8 |
| 動作値誤差 | 動作電流±10%以内 | ||||
(4)動作時間試験
零相電流を整定値の400%(0.8A)に調整し、スイッチS1を閉にし、動作時間を確認します。ただし、0.2秒整定においては、130%(0.26A)について同様に行ってください。
| 整定値(s) | 0.2 | 0.3 | 0.4 | 0.6 | 0.8 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 通電電流(%) | 130 | 400 | 400 | 400 | 400 | 400 |
| 公称動作時間(s) | 0.1~0.3 | 0.1~0.2 | 0.3 | 0.4 | 0.6 | 0.8 |
| 動作値誤差 | 動作時間範囲内 | 動作時間±10%以内 | ||||
●テスト入力端子からの試験
形K3P-M 零相電圧変換器にはテスト入力端子があり、これによって試験することもできます。
この試験回路における零相電圧の公称動作値は次のとおりです。
| 整定値(%) | 5 | 7.5 | 10 | 12.5 | 15 |
|---|---|---|---|---|---|
| 公称動作値(A) | 190.5 | 285.8 | 381.0 | 476.3 | 571.5 |
| 動作値誤差 | 動作電圧±25%以内 | ||||
銘板に試験電圧190V と明記していないものについては旧形で、試験電圧は570Vになります。
継電器本体、ZCT、しゃ断器などの総合的な試験のできる回路例を図に示します。
図のような回路では、高圧をかけたままの状態で押ボタンスイッチ(PBS)により、しゃ断試験が行えます。図のR1に5Ω(10W以上の容量)、R2に100Ω(200W以上の容量)を使用すれば、継電器のY16とY2端子間には5V程度の電圧が加わり、ZCTには1A程度の電流が流れます。
(試験用回路の配線を長くすると、誘導などにより継電器の動作に悪影響をおよぼしますのでご注意ください)
情報更新 : 2010/07/06