変位センサは、対象物までの距離を測定するセンサで、対象物の微小段差や高さ、幅、厚みなどの寸法計測も可能です。ここでは、変位センサの概要、原理・分類、用語を解説します。
| 変位センサ概要/原理・分類/用語解説 |
変位センサとは
変位センサとは、対象物の物理変化量をさまざまな素子で検知し,その変化量を距離に演算することでセンサから対象物までの距離(変位)を計測する機器です。使用する素子により、光学式変位センサ、リニア近接センサ、超音波変位センサなどがあります。
@光学式変位センサ(スマートセンサ形ZX-L-Nシリーズなど)
●概要
三角測距を検出原理としたセンサで、受光素子にPSDを使用したものと、CCD(CMOS)を使用したものがあります。
●PSD方式
光源から発せられた光がレンズによって集光され、物体に照射されます。
物体からの反射光を受光レンズによって一次元の位置受光素子(PSD)*上に集光します。物体の位置(センサからの距離)が変化すればPSD上の結像位置が異なり、PSDの二つの出力バランスが変化します。
この二つの出力をA、BとするとA/(A+B)を演算し、適当なスパン係数‘k’とオフセット‘C’を施すことにより
を求めることができます。
* PSD: Position Sensitive Device
●CCD(CMOS)方式
受光素子にCCD(CMOS)を使用することで、PSD方式に比べ、対象物の色むらや表面状態の影響を受けずに高精度な変位計測ができます。
対象物上のスポットビームを受光素子上に投影したときのCCD(CMOS)の各画素の光量を検出し距離換算します。
CMOSとCCDの違い
CCDとは、Charge Coupled Device(電荷転送素子)の略で、
CMOSはComplementary Metal Oxide Semi-conductor(相補性金属酸化半導体)の略です。
| CMOSイメージセンサ | CCDイメージセンサ | |
| 読み出し方式 | 1画素ごとに個々に信号を読み出して増幅する。 | 1画素ごとにバケツリレー方式で信号を読み出して最後に 増幅する。 |
| 長所 | 消費電力が小さい。 高速化が容易。 演算回路などを一体化出来る。 | 画質が良い。 |
| 短所 | 画素ごとの画質がばらつきやすい。 感度はCCDのおよそ1/5程度。 | 消費電力が大きい。 (高速化が困難。) 製造プロセスが複雑。(コスト高い) |
●正反射方式と拡散反射方式
正反射方式
物体からの正反射光を直接受光する方式で、金属など表面に光沢のある対象物を安定して測定することができます。
拡散反射方式
投光ビームを測定面に対して垂直に投光し、対象物からの拡散反射光を受光する方式で、測定範囲を広くとることができます。
Aリニア近接センサ(スマートセンサ形ZX-Eシリーズなど)
コイルに交流電流を流すと磁束が発生する、これが金属である対象物を通過すると、対象物にこの変化を妨げる磁束を発生する渦電流が生じます。
この結果コイルのインダクタンスが変化することとなります。
このインダクタンスの変化量は、コイルと対象物間の距離の関数となり結果として対象物の距離変位が計測できます。
B超音波変位センサ
送波器により対象物に向け超音波を発信し、その反射波を受波器で受信します。超音波の発信から受信までに要した時間と音速との関係を演算することで距離を算出する方式です。
当ページは「光学式変位センサ」についての用語説明です。
他方式、原理によるセンサの「用語」については、該当各機種掲載ページを参照ください。
分解能
測定対象物が完全に静止している状態での、測定値のばらつきの幅を分解能といいます。ばらつきの幅が小さいほど、分解能が良いといいます。
直線性(リニアリティ)
リニア出力の理想直線に対する誤差。
通常、測定範囲(フルスケール:F.S.)に対する比率で、1%F.S.…のように表現します。
温度特性
周囲温度の変化に対するリニア出力の変動量。
通常、測定範囲(フルスケール:F.S.)に対する比率で、□%F.S./℃のように表現します。
例)0.03%F.S./℃(F.S.=20mm)
応答時間
物体の変位や幅がステップ上に変化したときのリニア出力。
アナログ出力では10〜90%まで変化するために要した時間を「応答時間」で表現します。