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ロータリエンコーダ 概要/特長/原理/分類/用語解説


ロータリーエンコーダは、回転の機械的変位量を電気信号に変換し、この信号を処理して位置、速度などを検出するセンサです。ここではロータリ−エンコーダの概要、特長、原理、分類、用語を解説します。

概要/特長/原理/分類/用語解説 特性データの読み方/使い方と各種データ

関連情報

概要

ロータリエンコーダとは

ロータリエンコーダとは、回転の機械的変位量を電気信号に変換し、この信号を処理して位置・速度などを検出するセンサです。直線の機械的変位量を検出するセンサをリニアエンコーダといいます。

特長

@ 軸の回転変位量に応じて出力します。

軸にカプリングにより結合することにより、直接、回転変位量を検出できます。

A 起動時の原点復帰が不要です。(アブソリュートのみ)

アブソリュートタイプの場合、回転角度を絶対的な数値としてパラレル出力します。

B 回転方向も検出できます。

インクリメンタルタイプの場合、A相とB相の出力タイミング、アブソリュートタイプの場合はコードの増減で回転方向がわかります。

C 豊富な分解能と出力形式より最適なセンサをお選びいただけます。

要求精度やコスト、接続回路などに応じて適したセンサを選定いただけます。

原理
分類特長構造出力波形
インクリ
メンタル形

形E6J-C
形E6A2-C
形E6B2-C
形E6C2-C
形E6C3-C
形E6D-C
形E6F-C
形E6H-C
・軸の回転変位量に応じてパルス
 列を出力するタイプです。
 別途カウンタで出力パルス数を
 計数し、カウント数により回転量
 を検出する方式です。
・ある入力軸の位置からの回転量
 を知るには、基準とする位置で
 カウンタの計数値をリセットし、
 その位置からのパルス数をカ
 ウンタで累積加算します。
 従って、基準位置を任意に選ぶ
 ことができ、しかも、回転量の
 計数が無限にできます。
 さらに、回路を追加し、信号の1
 周期の2倍、4倍のパルス数を発
 生させ、電気的に分解能を高め
 ることができるのも大きな特長
 です(*)。
 また、1回転につき1回だけ発生
 するZ相信号は、1回転内の原
 点として使用できます。
*高分解能が必要な場合、一般
  的には4逓倍回路方式がとられ
  ます。(A相、B相のそれぞれの
  立上り、立下り波形を微分する
  ことにより4倍出力が得られ、
  分解能が4倍になります。)

軸の回転と共に光学パターンが書
き込まれたディスクが回転すると、
それに応じて、2ヶ所のスリットを
通る光が透過、しゃ断されます。こ
の光は、それぞれのスリットに対抗
する受光素子で電流に変換され、
波形整形されて2つの矩形波出力
として出力されます。
この2ヶ所のスリットは、矩形波出
力の位相が互いに1/4ピッチ異な
るように配置されています。

*分解能が変わっても
 「相」数は変化しません
アブソリュート形

形E6J-A
形E6CP-A
形E6C3-A
形E6F-A
・回転角度を2n のコードで絶対的
 な数値としてパラレルで出力す
 るタイプです。
 従って、出力コードビット数分の
 出力数を持ち、分解能が大きく
 なると出力数が増加します。こ
 の出力コードを直接読み取るこ
 とにより回転位置検出を行う方
 式です。
・エンコーダがいったん機械に組
 み込まれると、入力回転軸のゼ
 ロ位置が定まり、常にゼロ位置
 を座標原点にした回転角度がデ
 ジタルで出力されます。
 ノイズなどによりデータの狂い
 が生じることもなく、起動時の原
 点復帰も不必要です。
 しかも、高速回転で符号が読め
 なくなっても、回転速度を落とす
 と、正しいデータが読みとれ、ま
 た、停電などで電源が切れ、再
 び電源を入れた場合でも正しい
 回転データを読みとることがで
 きます。

パターンの書き込まれたディスク
が回転すると、パターンに従ってス
リットを通過した光は、あるものは
透過、あるものは遮られます。
透過した光は受光素子で電流に変
換され、波形整形された後デジタル
信号になります。
分類

選定ポイント

【1】インクリメンタル式か、アブソリュート式か

許容コストの関係、電源立ち上げ時の原点復帰の可否、制御速度、耐ノイズ性などを考慮し、適したタイプを選定する。

【2】分解能はどれくらいがよいか

組み込む機械装置の要求精度と機械のコストを考慮して最適なものを選択する。機械の総合精度の1/2〜1/4精度となる分解能を選定するのがよい。

【3】外形寸法

取りつけスペースの関係から選定する軸の形態(中空軸、シャフトタイプ)も考慮に入れながら選定する。

【4】軸許容荷重

取りつけ方法による軸負荷の状態、機械的寿命などを考慮し選定する。

【5】許容最大回転数

使用時の機械的な最大回転数から選定。

【6】最高応答周波数

組み込む機械装置の使用時の軸の最大回転数から決定する。
最大応答周波数=(回転数/60)×分解能
ただし、実際の信号の周期はばらつきがあるため、上記の計算値に対し、余裕のある仕様のものを選定する。

【7】保護構造

使用環境にほこり、水、油がどの程度あるかにより選定する。

  • ほこりのみ:IP50
  • 水もあり:IP52、IP64
  • 油あり:防油

【8】軸の回転起動トルク

駆動源のトルクはどれくらいあるか。

【9】出力回路方式

接続する後段機器、信号の周波数、伝送距離、ノイズ環境などを考慮し、回路方式を選定する。
長距離伝送する場合は、ラインドライバ出力を選定するのがよい。

用語解説

分解能

軸を1回転させた場合に出力されるインクリメンタル信号のパルス数、または、アブソリュートの絶対番地数。

出力相

インクリメンタル式の場合の出力信号数。1相タイプ(A相)、2相タイプ(A相、B相)、3相(A相、B相、Z相)があります。Z相は1回転に1回出力する、原点用の信号です。

出力位相差

軸を回転させたとき、A相、B相各信号相互間の立ち上がり間または立ち下がり間の時間ずれ量を信号の1周期時間に対する比または、信号の1周期を360°とする電気角で表す。
A相、B相は、通常、電気角で90°の位相差を持つ。

CW

時計回転(Clock Wise)方向のことをいう。軸側からみて右回転する場合をいい、この回転方向において、通常、インクリメンタル形は、A相がB相に対し位相が先行して出力し、アブソリュート形はコード増加方向となる。
CW方向の逆回転の場合は、CCW(Counter Clock Wise)という。

出力デューティ比

軸を定速回転させたとき出力される平均パルス周期時間と1周期のHレベル時間の比。

最高応答周波数

信号が応答し得る最大の信号周波数。

立ち上がり時間、立ち下がり時間

出力パルスの10〜90%の時間。

出力回路

  1. オープンコレクタ出力
    出力回路のトランジスタのエミッタをコモンとし、コレクタを開放形とした出力回路。
  2. 電圧出力
    出力回路のトランジスタのエミッタをコモンとし、コレクタと電源間に抵抗を挿入し、電圧に変換したコレクタを出力する出力回路。
  3. ラインドライバ出力
    高速、長距離伝送用の専用ICを用いた出力方式で、RS422-A規格に準拠したデータ伝送方式。信号が差動の2信号として出力されるため、ノイズに強い。
    ラインドライバで出力された信号を受信するのには、ラインレシーバと呼ばれる専用ICを用いる。
  4. コンプリメンタリ出力
    出力にNPNとPNPの2つの出力トランジスタをもつ出力回路です。
    出力信号の「H」、「L」に応じて、2つの出力トランジスタが交互に「ON」、「OFF」の動作をします。ご使用にあたっては、プラス電源、OVにプルアップ、プルダウンしてご使用ください。
    コンプリメンタリ出力は、出力電流の流れ出し、流れ込みの両方の動作があり、信号の立上り、立下りの速度が早いのが特徴で、コードの長距離延長が可能です。
    オープンコレクタ入力機器(NPN、PNP)への接続が可能です。

起動トルク

ロータリエンコーダの軸の回転の起動時に必要な回転モーメント。通常の回転時にはこの値より低い値となるのが一般的である。軸に防水用シールを設けてあるものは、起動トルクが高い値となる。

慣性モーメント

ロータリエンコーダの回転起動、停止時の慣性力の大きさを表します。

軸許容力

軸に加えることのできる負荷荷重の許容量。ラジアルは軸に直角方向に加わる荷重、スラストは軸方向に加わる荷重。
双方とも軸の回転時に許容される荷重であり、この荷重の大きさが、軸受けの寿命に影響する。

動作周囲温度

仕様を満たす環境温度で、外気温度および、ロータリエンコーダと接触する関連部材の温度の許容値。

保存周囲温度

無通電状態で、機能劣化を引き起こさない環境温度で、外気温度およびロータリエンコーダと接触する関連部材の温度の許容値。

保護構造

ロータリエンコーダへの外部からの異物の侵入に対する構造的保護のレベル。IEC60529規格で規定されていて、IP◯◯で表現される。
油に対する構造的保護のレベルは、社内規格で規定されていて、防油/耐油で表現しています。

アブソリュートコード

  1. バイナリコード
    純2進数コードで2nで表現されるコード。番地の切り替わりで複数のビットが変化する場合がある。
  2. グレイコード
    番地の切り替わり時、1ビットのみしか変化しないコード。
    ロータリエンコーダのコード板はグレイコードとなっている。
  3. 余りグレイコード
    36、360、720などの2n以外の分解能をグレイコードで表現する場合に用いるコード。
    グレイコードの最上位ビットが“0”から“1”に切り替わるところから、数値が小さい方と大きい方にそれぞれ同じだけのエリアをとった場合、この範囲ではコードの終わりと始まりの切り替わり時には、1ビットしか信号が変化しないという、グレイコードの性質が保たれる。これにより、グレイコードで任意の偶数の分解能の設定が可能になる。
    ただし、この場合は、コードの始まりが0番地からではなく、途中のコードから始まるため、実際に使用する場合は、コードのシフト処理をして、0番地からのコードに変換して使用する必要がある。
    コード表の例は、36分割を表現したものである。
    ここで、31番地から32番地への切り替わりに対し、対象に18番地ずつとると、コードは、14番地から49番地の範囲となる。49番地から14番地に切り替わる際、1ビットの変化しかなく、グレイコードの性質が保たれていることがわかる。このコードを14番地シフトすることにより、0番地から始まるコードに変換して使用する。
  4. BCDコード
    2進化10進コード(Binary Coded Decimal Code)。
    10進のそれぞれの桁を個別により2進符号で表現したコード。

シリアル伝送

多ビットデータを同時に出力する通常のパラレル伝送に対し、データを時系列的に一つの伝送ラインから出力する方式で、省配線を目的として行われる。信号を受けた側でパラレル信号に変換して使用する。

中空軸タイプ(ホローシャフトタイプ)

回転軸が中空軸形状となっており、駆動側の軸を直接中空穴に接続することにより、軸方向の省スペース化が図れる。
板バネを緩衝用として持ち、駆動軸の振れなどを吸収する。

メタルディスク

エンコーダの回転板(ディスク)を金属で製作することにより、ガラスの回転板(ディスク)の場合に比べ、耐衝撃性を強化。スリット加工の制約から、高分解能は対応不可。

サーボマウント

エンコーダの取りつけ方法の一つで、サーボマウント用金具を用いてエンコーダのフランジ部を押さえて取りつける方法。仮固定の状態で、エンコーダの回転方向の位置調整が可能なため、エンコーダの原点合わせを行う必要がある場合に適している。

アブソリュートコード表

10進バイナリグレイグレイ
余り
14符号
BCD
101
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
51
52
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
0 0 0 0 0
0 0 0 0 1
0 0 0 1 0
0 0 0 1 1
0 0 1 0 0
0 0 1 0 1
0 0 1 1 0
0 0 1 1 1
0 1 0 0 0
0 1 0 0 1
0 1 0 1 0
0 1 0 1 1
0 1 1 0 0
0 1 1 0 1
0 1 1 1 0
0 1 1 1 1
1 0 0 0 0
1 0 0 0 1
0 1 0 0 1 0
0 1 0 0 1 1
0 1 0 1 0 0
0 1 0 1 0 1
0 1 0 1 1 0
0 1 0 1 1 1
0 1 1 0 0 0
0 1 1 0 0 1
0 1 1 0 1 0
0 1 1 0 1 1
0 1 1 1 0 0
0 1 1 1 0 1
0 1 1 1 1 0
0 1 1 1 1 1
1 0 0 0 0 0
1 0 0 0 0 1
1 0 0 0 1 0
1 0 0 0 1 1
1 0 0 1 0 0
1 0 0 1 0 1
1 0 0 1 1 0
1 0 0 1 1 1
1 0 1 0 0 0
1 0 1 0 0 1
1 0 1 0 1 0
1 0 1 0 1 1
1 0 1 1 0 0
1 0 1 1 0 1
1 0 1 1 1 0
1 0 1 1 1 1
1 1 0 0 0 0
1 1 0 0 0 1
1 1 0 0 1 0
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1 1 0 1 0 0
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1 1 0 1 1 0
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1 1 1 0 0 0
1 1 1 0 0 1
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1 1 1 0 1 1
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1 1 1 1 0 1
1 1 1 1 1 0
1 1 1 1 1 1
0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 1
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0 0 1 1 1 0
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2 1
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3 0
3 1
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